仙台育英 向坂 8回7K&2ラン 7球団スカウト絶賛「将来楽しみ」

[ 2020年7月30日 05:30 ]

宮城大会準々決勝   仙台育英4―3柴田 ( 2020年7月29日    仙台市民 )

8回を2安打1失点と好投した仙台育英・向坂
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 都道府県が独自に開催する代替大会は29日、全国で59試合が行われた。宮城では、プロも注目する仙台育英のエース・向坂優太郎投手(3年)が柴田との準々決勝に「5番・投手」で出場し、8回を2安打1失点で7三振を奪う力投。打っても4回に逆転2ランを放った。夏の甲子園は中止になっても、悲願の「宮城4連覇」へあと2勝に迫った。

 テークバックが小さく球の出どころが見づらい。左腕・向坂の最大の特長だ。さらに最速143キロを誇る直球を低めに投げ込み、左打者にはスライダー、右打者にはツーシームを効果的に使った。
 「テンポ良く投げることができ、打者を見ながら臨機応変に対応できた」。8回を2安打1失点。7奪三振ながら2回先頭から6者連続で奪い、「みちのくのドクターK」の本領を発揮した。

 向坂の原点は小学時代の「壁当て」だ。実家は農業も営んでおり、その作業場のコンクリートで塗装された外壁にボールをひたすら投げ続けた。母・良重さん(48)は「2回ぐらい穴を開けられました」と苦笑いするが、制球が磨かれた。

 打撃でも非凡なセンスを見せた。0―1の4回2死三塁からライナーで右越えに逆転2ラン。「甘く入ったボールを1球目で仕留められました」。公式戦初めてで高校通算4本目を自画自賛した。

 1メートル85の大型遊撃手の入江大樹(3年)がおり、7球団のスカウトが視察。向坂は大学に進学する予定だが、完成度に注目が集まった。日本ハムの白井康勝スカウトは「コントロールが良く、ピッチングがうまい。将来が楽しみ」と絶賛した。

 柴田郡村田町で育った向坂にとって、柴田との対戦は特別だった。「知っている選手がいて、いろいろなことを思い出しました」。名門・仙台育英のエースは中学時代の仲間に成長を見せ、4年連続の宮城制覇に向かう。 (柳内 遼平)

 ◆向坂 優太郎(むかいざか・ゆうたろう)2002年(平14)10月17日生まれ、宮城県柴田郡村田町出身の17歳。小3で野球を始め、中学時代は宮城臨空シニアでプレー。仙台育英では2年秋から投手兼中堅手としてベンチ入りし、昨年11月の明治神宮大会から背番号1を背負う。遠投105メートル。1メートル81、79キロ。左投げ左打ち。

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