楽天・涌井5連勝 リーグ唯一開幕から6戦全て100球超え

[ 2020年7月30日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5-1ロッテ ( 2020年7月29日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>汗を飛ばしながら力投する楽天・涌井(撮影・白鳥 佳樹)
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 100球が近くなっても、もう一段ギアを上げられる。それが楽天の涌井だ。3―1の6回2死一、二塁。前日3本塁打の井上に一発が出れば逆転の場面だった。

 「あそこは集中できた。しっかり力で打ち取ることができた」

 初球、外角いっぱいの147キロでストライク。2球目はボールとなったが、この日最速の149キロまで出力を上げた。ジャスト100球目の3球目は、134キロのスライダーで一邪飛。勝負どころを切り抜けて7回を112球、8奪三振で3安打1失点。昨年まで所属した古巣相手に2戦2勝で、開幕からは無傷の5勝目となった。

 開幕から6戦全てで投球数は100球を超える。これはパ・リーグでは涌井だけだ。この日も7回を終えてねぎらう首脳陣に続投を志願した。前回登板で131球を投げたこともあり、首脳陣の配慮を受け入れたが、先発完投へのこだわりは強烈だ。「たかが6試合しかやっていない」と言ってのけた。

 34歳右腕は、移籍1年目で早くも精神的支柱になった。開幕から2軍の横浜高の後輩・藤平には登板のたびに映像をチェックし、連絡を取りアドバイス。フォームに対する助言を受ける則本昂も「いろいろな経験をされている方なので、参考になるしありがたいですね」と感謝する。

 ZOZOマリンで移籍後初登板に「不思議な気持ちだった。応援が印象にあるので、それがないことに多少、戸惑いはあった」と少しだけ感傷的な表情を見せた涌井。守護神の森原が不振から出場選手登録を抹消されるなど、苦しい救援陣を救う好投でもあった。(春川 英樹)

 《16年ロッテ時代に並ぶ2度目タイ》○…涌井(楽)が開幕5連勝。6試合に先発し、全て100球を超えているが、今季の両リーグで開幕から6試合以上連続100球以上の力投は菅野(巨=6試合)と涌井だけだ。また、自身の開幕5連勝はロッテ時代の16年に並ぶ2度目の最多タイ。楽天で開幕5連勝以上は、17年に福山が救援で6連勝して以来。先発では13年に24連勝した田中将大(現ヤンキース)以来となった。なお、チームで移籍初年度に5勝以上は、05年岩隈久志(9勝=前オリックス)、17年岸(8勝=前西武)に次ぎ3人目。好発進の涌井には初の2桁勝利の期待がかかる。

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