上宮・塩路 89年選抜準Vメンバーの父の前で2安打2打点 甲子園の夢ついえたが「大阪で一番に」

[ 2020年7月28日 05:30 ]

大阪大会3回戦   上宮11-1岸和田産 ( 2020年7月27日    くらスタ堺 )

<岸和田産業・上宮>  2回、2死二塁、中越えに適時二塁打を放つ上宮・塩路   (撮影・成瀬 徹) 
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 都道府県高野連が開催する独自代替大会は27日、大阪、奈良など13大会60試合が行われた。大阪では1989年選抜準優勝メンバーを父に持つ上宮・塩路椋大内野手(3年)が2打数2安打2打点の活躍で4回戦進出に貢献した。

 尊敬する父に勝負強さを見せつけた。「9番・三塁」の塩路は2―0の2回2死二塁から左中間二塁打で追加点を叩き出すと、4回2死一塁からは10点差に広げる左越え二塁打。「ずっと打てていなかったので体を開かず、逆方向を意識しました」と笑顔で話した。

 あの映像は何度も見てきた。「自分の事のように悔しくて。あまり見たくはないんですが…」。父・厚さん(47)も上宮でプレー。元木大介(現巨人ヘッドコーチ)らの1学年下でレギュラー捕手として89年の選抜準優勝に貢献。決勝の東邦(愛知)戦は今でも語り継がれる。2―1の10回。2死走者なしから同点とされ、守備の乱れで白球が外野を転々とする間にサヨナラ負けした。「父と同じ学校で準優勝を超えたいと思った」。早々と上宮に進む意思は固めていた。

 「景色が違う」と聞かされてきた甲子園。新型コロナウイルス感染拡大を受け夢はついえた。だが「景色を見たかったけど、みんなで大阪の一番になろうと話し合った」――。夏の甲子園大会出場は89年の1度。聖地にはつながらなくても、31年ぶり頂点を狙う。

 スタンド観戦した厚さんは「2死になって勝ったと思った。終わるまで、余計なことを考えてはダメです」と当時を思い出し、笑った。「野球は今で終わりではない。次につながるよう、やり切ってほしい」。塩路は父の思いとともに頂点への道を歩んでいく。(桜井 克也)

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