早実「清宮伝説」再び!2年生4番・福太郎 兄のリベンジ公式戦1号が場外弾!

[ 2020年7月28日 05:30 ]

西東京大会1回戦   早実8―6八王子学園八王子 ( 2020年7月27日    八王子 )

9回土壇場での逆転に両手を挙げる清宮
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 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は27日、全国で60試合が行われた。西東京では早実が八王子学園八王子との「名門対決」で計5本塁打を放って競り勝ち。日本ハムの清宮幸太郎内野手(21)の弟で右の長距離砲である福太郎外野手(2年)は4回に左翼場外に公式戦1号となる120メートル弾を放ち勝利に貢献した。

 あとは切れるか、切れないか…。急いで走りだす必要はなかった。清宮は本塁付近から左翼方向を見て仁王立ち。打球は両翼98メートルのフェンスに立つポールのはるか上を通過し、15メートル後方の約2メートルの防球ネットも越えた。推定120メートルの場外弾。本塁打を確認し、ゆっくりと走りだした。

 「いったかなと思ったけど…、あとはフェア(になる)かなと」と清宮。2点を追う4回先頭でカーブを振り抜いて快音を響かせた。八王子学園八王子の左腕・溝口の配球と内角攻めを読み切った一撃。2年生ながら4番を任される男の一撃は反撃ムードを生んだ。

 相手はチームにとっての宿敵だ。日本ハムに所属する兄・幸太郎が2年時は夏の西東京大会で8強で敗れるなど15年以降の過去4試合の対戦成績は2勝2敗。代替大会屈指の好カードは降雨で4度も延期となっていた。試合は両軍がそのうっぷんを晴らすかのような乱打戦。5―6の9回に3点を奪うなど計5発で劇的に勝ち、ナインの笑顔がはじけた。

 「複数部員に問題行動があった」との理由で昨秋大会は出場辞退。今年は春からのコロナ禍で公式戦はおろか練習試合の機会も激減した。3年生は高校生活の集大成とも言える「甲子園」という大きな目標も消失。迎えた特別な大会で先輩たちは勝利を目指して必死に戦っていた。清宮は「意地を感じました。これからの試合で応えていかないといけない」と気を引き締める。

 試合数が減った影響もあり、これが高校通算8本塁打目。兄の111本には遠く及ばない。それでも今夏から務める4番に特別な思いを抱く。「覚悟が必要。(早実の)4番で打っている以上、泥を塗らないよう結果を残したい」。チームを勝利に導く。それが名門チームの4番に課された使命だ。(柳内 遼平)

 ◆清宮 福太郎(きよみや・ふくたろう)2003年(平15)7月3日生まれ、東京都出身の17歳。早実初等部1年時に野球を始め、5年から東京北砂リトルでプレーし、15年世界選手権優勝。早実中等部時代は調布シニアに所属。早実では1年夏からベンチ入り。1メートル82、99キロ。右投げ右打ち。

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