エンゼルス・水原通訳 大谷の久々の投げる姿に喜び コロナ禍で本拠グラウンド使えず駐車場で投球練習

[ 2020年7月28日 02:30 ]

水原一平通訳 I REPORT

大谷と水原通訳がキャッチボールを行ったエンゼルスタジアムの駐車場(撮影・奥田秀樹通信員)
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 エンゼルス・大谷の2年ぶりの復帰登板は初回KOとなってしまったが、ここにたどり着くまで苦しいリハビリを最も近くで見守ってきたのが、水原一平通訳(35)だ。入団時から公私にわたってサポートしている水原氏の大好評コラム「水原一平通訳 I REPORT」も連載3年目に突入した。

 翔平のメジャー3年目がいよいよスタートしました。投手復帰戦は悔しい結果となりましたが、久々に公式戦で投げる姿を見られたのは素直にうれしかったです。降板後に手術した右肘や左膝に違和感や痛みもなかったので、そこは一歩前進かなと思います。まだまだこれからです。

 振り返れば3月12日にキャンプが中断してから、いろいろなことがありました。まず球団からは日本に帰るか、アリゾナにとどまるか、リハビリ選手扱いで本拠地のエンゼルスタジアムに戻るかの3つ選択肢をもらいました。最初はアリゾナに残っていましたが、すぐに施設が使えなくなりました。日本に帰れば練習場所を一から探すのは大変で、米国に戻って来られない可能性もあったので、本拠地に戻りました。ただ、本拠地周辺では“暴動”が起こるなど治安が良いとは言えない状況だったので「危険なので家にいてほしい」と球団から指示を受けたことも2回ほどありました。

 キャンプ再開が決まった6月20日ごろには、本拠地の消毒作業の影響で4日間ほどグラウンドが使えなかったので、球場外周の駐車場で一緒にキャッチボールをしたこともありました。ちょうどアルファベットのAをかたどった「BIG A」の真下辺りです。翔平が体を動かせなくて困っていたので、球団に許可を取って2、3回ほど駐車場スペースを使わせてもらいました。公園だと一般の方々に気付かれますが、駐車場は広いし、人もいないので練習にちょうどよかったです。遠投も含め70~80球ほど。投本間の距離を取って投球練習もしました。

 翔平はそこまで落ち込んでいる様子はなく、気持ちを切り替えています。課題をつぶすのは得意だと思うので、修正能力に期待です。トラウトやプホルスなどみんなが翔平のこと、特にピッチングの方を気に掛けています。ここまでめちゃくちゃ頑張ってきました。とにかくこのままケガせずにシーズンを無事に終えてほしいと思っています。(エンゼルス通訳)

 ◆水原 一平(みずはら・いっぺい)1984年(昭59)12月31日生まれ、北海道苫小牧市出身の35歳。6歳まで同市で過ごし、91年から米ロサンゼルスに移住。大学卒業後、岡島秀樹(レッドソックスなど)の通訳を経て、13~17年まで日本ハムの通訳。18年から大谷の通訳としてエンゼルスに所属。
 

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