阪神・大山 次の目標はエース撃ち 阪神前監督・金本氏が期待 いい意味で不安持つことも大事

[ 2020年7月28日 06:30 ]

26日の中日戦、9回無死二塁から、大山は左越えに2ランを放つ(投手・橋本)
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 【金本知憲の虎への金言】阪神前監督で本紙評論家の金本知憲氏は好調の大山悠輔内野手(25)に「いい意味での不安感」を説き、今後のエース級打ちを期待した。コラム「金本知憲の虎への金言」はシーズン中に月に1度の掲載を予定。

 今季の大山は右方向への安打、それも合わせたような打球ではなく、強い打球が増えてきた印象がある。しっかり軸足に体重を残して打っている表れだと思う。彼の場合、体が前へスウェーするときは状態があまり良くない。手打ちになり、強い打球が飛ばない。右方向への強打は、調子をはかるバロメーターの一つだろう。

 初球から積極的に仕掛けている姿勢にも大賛成だ。初球から振るには準備がいる。頭の中を整理して打席に立てていると思う。直球一本で振りにいき、甘い変化球なら多少タイミングがズレても対応できている。初球から強く振られると、相手バッテリーは嫌なものだ。どんどん、いったらいい。

 もちろん、まだもったいない凡打もある。ただ思い切り振るだけでは雑になる。初球から仕掛ける中で見極める技術も身につけていってほしい。狙いと違う球、打っても安打にできない厳しい球と判断したときにスイングをやめられるかどうか。勇気だけでなく、止める技術がいる。

 監督だった18年9月の絶好調(打率.415、9本塁打)ぶりが印象深い。いい状態をどれだけ長く持続できるかどうか。いまの成績を自信にしつつ、油断してはいけない。自信と油断のバランスが難しい。油断すると隙が生まれる。<いい意味での不安感>を持ってほしい。いつ打てなくなるか分からない…という不安があるから日々の練習も大切にできる。今季のセ・リーグは総じて投手陣が弱い。打者にとっては、いい成績を残し、自信を付ける大チャンスの1年だ。

 昨季も14本塁打、76打点はチーム最多。決して悪い成績だったわけではない。6、7番なら、十分に及第点と言っていい。4番だから…と求められる基準が高かった。今年で、まだ4年目。着実に階段は上がっている。次のステップはエース級を打つこと、単なる数字ではなく同点や逆転など内容にこだわること。そういう打撃が増えていけば、自然と周囲から4番として認められるようになる。

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2020年7月28日のニュース