阪神・青柳 7回途中77球1安打で今季初勝利 

[ 2020年6月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―1ヤクルト ( 2020年6月23日    神宮 )

7回途中まで無失点と好投した青柳(撮影・大森 寛明)
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 最高の滑り出しだ。今季初先発の阪神・青柳が23日のヤクルト戦で6回0/3無失点と好投。自身、そしてチームの初勝利をつかんだ。

 「野手が初回に先制してくれて楽に投げることができました。チーム状況はありましたけど、自分のピッチングができれば勝てると思っていました」

 3点の援護を力に変えて、強打者たちをなでぎった。坂口、山田哲、青木相手に危なげなく立ち上がると、4回2死では昨季3本塁打を浴びている村上を3球三振。ここまで無安打投球を展開した。5回先頭・山崎の左中間二塁打を受けても落ち着いて後続を断ち、得点を許さないまま、7回無死で青木に死球を与えたところで降板した。わずか77球。万全を期す意味合いの交代であり、余力を十分に残していた。

 9勝を挙げた昨年に手応えを得た一方で「何年も続けないと一流とは言われない」と新たな“壁”を設定し、あらゆる取り組みに着手した。今春から本格導入した食事戦略『カーボローディング』が、その筆頭だ。

 エネルギー源である糖質の摂取量を管理するというモノで、具体的には、登板した夜は糖質を抜き、翌日からすこしずつ摂取量を増やしていく。登板前日には食事の7割以上を糖質が占める「高糖質食」に切り替えてマウンドに備えるのだ。

 狙いは、エネルギー源を体にため込んだ状態でマウンドに上がり、試合終盤の体力低下を防ぐこと。マラソンや水泳などの競技で実践されている食事法だが、ローテーション投手にも応用できると考えた。「料理の要求は絶対しない!」のスタンスで向き合う夫人にも、『カーボローディング』だけは頭を下げてお願いしている。

 後半6回以降も疲労を感じさせなかった姿に、その効果がにじんで見えた。5年目を迎えて安心感を身にまといつつある変則右腕が、待望の「1勝目」を、チームにもたらした。(巻木 周平)

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2020年6月24日のニュース