元楽天・枡田慎太郎氏、宮城・仙台一コーチ初指導 “闘将魂”で「夢はでっかく甲子園」

[ 2020年6月24日 05:30 ]

球児たちの特別な夏

<仙台一高練習>コーチに就任し選手にあいさつする元楽天の枡田慎太郎氏(撮影・沢田 明徳)
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 元楽天の枡田慎太郎氏(32)が宮城・仙台一野球部のコーチに就任し、23日に仙台市内の同校グラウンドで初指導に臨んだ。新型コロナウイルス感染拡大のため今夏の甲子園大会が中止となる中でのコーチ就任。「力を出す前に残念な結果となって悔しいと思う。今後の人生に辛いことを生かしてほしい」とあいさつし、選手たちに熱い視線を向けた。

 「まず見て、どう感じ、どう伝えるか」と話した枡田コーチだったが、フリー打撃中に集合をかけると「ボールを蹴るのはやめよう。プロでもそういう選手はいない」と諭した。ボール集めの際に選手たちが蹴っていた姿を見逃さず、道具を大切にする心を説いた。理想は故・星野仙一監督。その指導は愛のある厳しさで「そこまでになれるとは思わないけど、なってみたいとは思う」と言った。

 同校野球部OB会からの誘いで実現したコーチ就任。千葉厚監督(41)は「一流に触れられるいい機会。いろんな角度から見てもらって的確なアドバイスをしてもらえる」と期待する。現在は仙台ポニーリーグの指導にも携わっている枡田コーチも「2軍生活も長くて失敗もいっぱいして悔しい思いもした。技術よりも経験を伝えたい」と力を込めた。

 仙台一中時代に県勢初の甲子園出場した伝統校も1950年を最後に甲子園から遠ざかっている。県下有数の進学校で3年生は受験も控えるが、国公立大を目指している森拓真主将(3年)は「コロナで勉強の不安もあるけど、野球をできる幸せを感じて全力でやって(高校野球を)終わりたい。(枡田コーチに)いろいろ聞いてレベルの高い野球をしたい」と言い切った。

 宮城県には仙台育英、東北というぶ厚い強豪私学の壁がある。それでも、枡田コーチは言った。「やるからには勝ちたい。夢はでっかく甲子園」。もちろん夢のまま終わらせるつもりはない。闘将魂を受け継ぐ新コーチの言葉は力強かった。
   (秋村 誠人)

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