阪神 今季初勝利 マルテ1号弾&3安打「この瞬間を待ち望んでいた」

[ 2020年6月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―1ヤクルト ( 2020年6月23日    神宮 )

初回、左越え2ランを放ち、ナインとエアタッチをするマルテ(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神は23日のヤクルト戦(神宮)に4―1で快勝し、今季初勝利を挙げた。ジェフリー・マルテ内野手(29)が1点リードの初回に左翼へ今季1号2ランを叩き込むなど3安打の活躍。不振のボーアに替わって開幕3戦目から4番に座る助っ人が矢野燿大監督(51)に待望の1勝をプレゼントした。

 立ちこめていた暗雲を一瞬で切り裂く放物線だった。快音の主は背番号31。マルテのフルスイングが、ベンチに活況をもたらした。

 「得点圏にランナーもいたし、追加点も欲しい場面だったから、しっかりミートして強い打球を打つことを心がけた。自分の仕事ができて、最高の結果になって良かった」

 初回、糸井の適時二塁打で先制した直後の1死二塁。相手暴投で1死三塁となり、フルカウントから149キロの直球を捉えた。無観客に響く衝突音ともに白球は左中間スタンド中段に着弾。特大の2ランでメジャー時代には一度も対戦のなかったイノーアに強烈なパンチをお見舞いした。

 「この瞬間を待ち望んでいたので、自分としてもうれしい瞬間」。昨年は故障で出遅れ、開幕から1カ月以上も要したシーズン1号を4試合目で放った。

 叩き出した「2打点」以上の意味があった。チームは開幕カードで巨人に悪夢の3連敗。重苦しい空気が漂う中、託された“任務”は決して簡単なものではない。不振のボーアに替わって開幕3戦目から座る4番。「(チームの連敗は)自分でコントロールできない。コントロールできることは、しっかりと100%の力で戦うことなのでそれができた」と気負わず、打席の土を踏みしめた。

 負けが込んでも攻めの姿勢を示した4番の一撃。矢野監督も「マルちゃんの本塁打という形で3点取れたのは、青柳も初登板で思い切っていける部分はあった」と付加価値のあるアーチを喜んだ。

 来日2年目。指揮官をはじめ、チームメートから「マルちゃん」と呼ばれるドミニカンは、チームに溶け込むだけでなく、ファンの心もつかんでいる。球団公式インスタグラムに糸原の私服姿の写真がアップされると日本後で「めっちゃカッコいい」とコメントして虎党を喜ばせ、開幕3戦目の後には宿舎の自室から撮った東京の夜景の様子を投稿した。

 3回に二塁打、6回に左前打を放って早くも今季2度目の猛打賞。開幕3戦目の21日に29歳の誕生日を迎え、当日は無安打だっただけにど派手な“後祝い”だった。

 「去年から引き続き応援していただいているので今年もしっかり頑張りたい気持ちと、みなさんがコロナが明けてまた(球場に)来てくれることをしっかり願いながら戦いたいと思います」。浴びるはずだった声援をイメージしながらマルちゃんは、喜びを分かち合える日を待つ。(遠藤 礼)

続きを表示

2020年6月24日のニュース