西武・スパンジー 来日1号が満弾!お目覚め4安打「チームの勝利に貢献できてよかった」

[ 2020年6月24日 05:30 ]

パ・リーグ   西武11-3ソフトバンク ( 2020年6月23日    メットライフD )

<西・ソ>2回2死満塁、先制の中越え満塁本塁打を放つスパンジェンバーグ(撮影・尾崎 有希)
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 美しい放物線を描いた白球が、バックスクリーン右で弾む。西武の新助っ人・スパンジェンバーグが、宿敵相手に名刺代わりの来日1号となる満塁弾。ベンチから届く歓声を聞きながらのベース一周も、無観客試合ならでは。笑みがこぼれた。

 「凄くいいコンタクトができた。打った瞬間ホームランと確信したよ。最初の1本でチームの勝利に貢献できてよかった」

 0―0の2回2死満塁。同じく新助っ人の左腕ムーアの149キロの高め直球を運んだ。17年パドレス時代、当時ジャイアンツのムーアに対して4打数3安打。「覚えていない。新しい投手と戦うつもりでいた」。しかし、この一打は自身もチームも目覚めさせた。

 初回は左前打を放ち、4回は右前打、7回には遊撃内野安打と、4安打の大暴れだ。19日からの日本ハム3連戦で14打数1安打8三振、打率・071の不調から復調。「いい日も悪い日もある。一喜一憂せずアプローチしたい」。今季初の2桁安打2桁得点に導いても、冷静だった。

 愛称は「スパンジー」。開幕3連戦を経て辻監督は、レッズに移籍した秋山に代わる1番に指名した男について「彼は首を痛めていたみたい」と明かし、「でも愚痴を言わない。本当にジェントルマン」と続けた。試合前には早出特打を行った勤勉な姿に、首脳陣も信頼を寄せる。

 4月には、ジュリー夫人が、第1子の長女・マディソンちゃんを都内で出産。「プライベートも充実している」とおどけた後、すぐ気を引き締めた。チームは18、19年とリーグ連覇も、続けて日本シリーズ進出を阻止された相手とまだ5連戦。「試合が終われば次に向かうだけさ」。復活した新1番の覚悟がにじみ出ていた。(大木 穂高)

 ○…新外国人のスパンジェンバーグ(西)が2回に今季1号となる満塁本塁打。初本塁打が満塁本塁打になったのは昨年の楠本(D)以来。外国人選手に限ると16年エリアン(D)以来で、西武では12年ヘルマン以来8年ぶり7人目となった。また、1番での満塁1号は70年バビー(中)、14年ハフマン(ロ)に続き3人目だ。

 ◆コーリー・スパンジェンバーグ 1991年3月16日生まれ、米ペンシルベニア州出身の29歳。インディアンリバー大から11年ドラフト1巡目でパドレス入団。14年9月にメジャーデビューし、昨季はブルワーズでプレーした。メジャー通算419試合で打率・256、29本塁打、119打点、34盗塁。1メートル83、89キロ。右投げ左打ち。

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