日本ハム・野村 1軍1号!! 正三塁手獲りへ猛アピール 栗山監督「こんなチャンスないでしょ」

[ 2020年6月5日 05:30 ]

練習試合   日本ハム3―9ロッテ ( 2020年6月4日    ZOZOマリン )

初回1死二塁、左越え2ランを放つ日本ハム・野村(撮影・長久保 豊)
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 日本ハムの野村佑希内野手(19)が4日、ロッテとの練習試合に「3番・三塁」で先発出場し、初回に先制2ランを放つ活躍を見せた。開幕延期により実戦から遠ざかっていたチームが主力のビジター6連戦出場を回避するため、2軍主体の布陣で臨んだ一戦で活躍。正三塁手候補のクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28)が虫垂炎で離脱しており、正三塁手争いで急浮上してきた。

 詰まった。それでも逆風を切り裂いた。高卒2年目の野村が、通算233試合に登板し侍ジャパン選出経験もある西野の内角直球を見事にさばいた。カウント2―2から腕を畳んで鋭く体を回転。左翼から一塁方向へ吹く2メートルの風をものともせず、左翼ホームランラグーン席最前列へ放り込んだ。

 「真っすぐに対して強くいけたし、うまく打てた。少し詰まったのでどっちかなという感じだったけど、自分の好きなところをしっかり打てたので感触は悪くなかった」。ダイヤモンドを一周し、栗山監督らに出迎えられると笑顔がはじけた。

 約2カ月ぶりに再開した練習試合6連戦の3戦目。栗山監督は長期ブランク明けの選手の疲労を考慮し、1軍選手は千葉・鎌ケ谷で軽めの調整。コーチ陣も含めて1、2軍をごっそり入れ替えた上で「ここ(1軍の球場)でやらなきゃ駄目なんだ」と2軍選手にメッセージを送った。清宮、万波と未来の中軸候補が並んだ打線で輝いたのは野村だった。

 ビヤヌエバが離脱する中で、1軍舞台での初アーチ。指揮官は「本当に素晴らしかった。明日、(スポーツ紙の)1面だよ。だって、ビヤヌエバがいなくて、こんなチャンスないでしょ」と満面の笑みを浮かべた。5日からは2軍に戻るが、横尾らとの三塁争いに19歳が加わったことは間違いない。

 野村は花咲徳栄時代の2年夏に全国制覇を果たすなど、甲子園に2度出場し4本塁打。今年の春夏の甲子園大会が中止となったことを受けて「自分も甲子園でいろんなスカウトに見てもらってプロに入れた。いろんな人に見てもらえるチャンスがないのは凄くかわいそう」と思いやり、「いろんな意味で糧にして頑張ってほしい」とエールを送った。

 1年目の昨季は左股関節後方亜脱臼で全治5カ月の大ケガを負い、1軍出場なし。内転筋を鍛えて下半身が安定してきた若き大砲にブレークの予感が漂う。 (東尾 洋樹)

◆野村 佑希(のむら・ゆうき)
 ☆生まれ&サイズ 2000年(平12)6月26日生まれ、米ミシガン州出身の19歳。1メートル87、92キロ。右投げ右打ち。
 ☆球歴 小2で野球を始め、花咲徳栄では1年秋からベンチ入り。2年生4番として出場した17年夏の甲子園では、1学年上の清水(現中日)、西川(現西武)らとともに全国制覇を達成。投げても最速146キロを記録し、3年夏はエースで4番として甲子園出場。甲子園では2度の出場で4本塁打を放つなど、高校通算58本塁打。
 ☆昨季成績 1軍出場はなし。プロ1年目の昨季はイースタン・リーグで75試合に出場し、打率・245、5本塁打、32打点。
 ☆愛称 両親は日本人だが父の赴任先の米国で生まれたため、「ジェームス」のミドルネームを持つ。同僚らからは頭文字の「J」や「ジェームス」と呼ばれる。


 《母校・花咲徳栄 ドラフト候補井上は“弟分”》野村の母校である花咲徳栄は3月以降、沖縄キャンプが中止になるなどコロナ禍の影響を受けてきた。出場を決めていたセンバツが中止となり、学校で手作りの開会式が行われたことでも話題になった。県の最長記録を更新する6連覇を目指していた今夏の埼玉大会も中止に。全体練習は今月下旬の再開を目指している。今秋ドラフト候補の4番・井上は野村の2年後輩。野村の卒業後も連絡を取り合っており、兄貴分として慕っている。

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