阪神・マルテ来日1号がチーム令和1号「改元は昨日知って勉強した」

[ 2019年5月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-2広島 ( 2019年5月1日    甲子園 )

お立ち台で笑顔の近本(左)とマルテ(撮影・大森 寛明)
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 日本の歴史的な1日にドミニカ共和国からやって来た助っ人が花を添えた。阪神・マルテは1日の広島戦の6回1死の第3打席。3ボールからの高め直球を怪力で打ち抜くと、曇天を切り裂き左中間へと伸びた。巨人・坂本勇のプロ野球の令和1号から2時間21分後だったが、阪神の令和第1号は自身にも来日初となるメモリアル弾だった。

 「記念すべき日に、自分としても特別な1日を迎えられたのは本当によかった。改元は昨日知って勉強した。ドミニカにはないので聞き慣れないけど、そんな日に自分がホームランを打てて忘れられない日になると思うし、ファンもホームランを見られたことはよかったんじゃないかな」

 1軍初昇格した4月29日の中日戦から数えて11打席目。甲子園デビューとなった前日30日は4打数無安打2併殺といいところがなかった。「焦りがすごくあった。初めてのチームに入ると、新しいファンの人たちがいいショーというか、打撃を待ってくれている。その中で早く出したかったので」。もやもやした気持ちを吹き飛ばす豪快な一撃で満員の虎党を酔わせた。

 阪神の平成1号も新助っ人が放っている。89年4月8日の広島戦でのセシル・フィルダーの来日1号3ラン。この年38本塁打し、米国復帰した翌年から2年連続でメジャー本塁打王となった大物助っ人のような輝かしい前途への期待が高まる。

 胸を張ってダイヤモンドを一周すると、ナインのメジャー流の祝福が待っていた。あえて出迎えずに無視する「サイレントトリートメント」。実はエンゼルスに所属した昨年4月3日(現地時間)に大谷が初本塁打した時には自身も同じ“儀式”に参加していた。逆の立場となり「うれしかったよ。選手間でそういうのをやるのは自分も好きだし、自分がされてよかった」と笑顔がはじけた。

 「3ボールから見事に打ったしね。ケガ(右ふくらはぎの張り)で出遅れた分、やってやるという気持ちはあると思う。いいきっかけにしてほしい」とは矢野監督。合流してからチームは4連勝。期待の新主砲が“令和の救世主”となるべく、一歩を踏み出した。(山添 晴治)

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2019年5月2日のニュース