05年夏甲子園V駒苫4番・本間氏 現役復帰、“第二の故郷”胆振に「元気と勇気を」

[ 2019年1月9日 05:30 ]

駒大苫小牧で4番を務めた本間氏
Photo By スポニチ

 甲子園で05年夏に優勝、06年夏に準優勝した駒大苫小牧で4番を務め、17年限りで現役引退した本間篤史氏(30)が“現役復帰”することが8日、明らかになった。今季から全日本クラブ野球選手権2度出場のTRANSYS(千歳市)で外部コーチ兼選手としてプレーする。引退から1年。一度離れて再確認できた野球への情熱と恩返しの思いを込め、再びユニホームを着て全力プレーする。

 再び、勝負の舞台に立つ。感謝と恩返し。さまざまな思いが本間氏の背中を押した。

 「正直、凄く悩みました。(昨年)辞めた時は“もういいな”と思ったが、1年間離れてみて、僕のプレーを楽しみにしている人がいた。“また(選手を)やって”とたくさん言われました」

 一度は自分の意思で野球に区切りをつけた。JR北海道を退社。新天地で会社員として仕事をする傍ら、100回記念大会の昨夏甲子園では“レジェンド始球式”の大役を務めた。TRANSYSからは、退社後から打診を受けており、外から野球を見る中で、寄せられた復帰を願う声も決め手になった。

 さらに背中を押したのは昨年9月の北海道胆振東部地震だ。駒大苫小牧で3年間を過ごし、現在も胆振近くに在住。人的被害はなかったが、自宅内は棚などほとんどが倒れた。「一番は自分を拾ってくれたTRANSYSへの恩返し。そして胆振は“第二の故郷”という部分がある。元気と勇気を与えるプレーが目標」と本間氏。中途半端な気持ちで決断したわけではない。「結果の世界。真剣勝負していきます」。仕事の傍ら練習参加する外部コーチ兼任だが、全日本クラブ選手権2度出場と“日本一”を目指すチームで、力強い一発と勝負どころの一打で貢献するつもりだ。

 05年夏にともに戦った1学年先輩の林裕也氏(31)が今月から駒大コーチに就任。新たな道を歩き出す先輩からも刺激を受けている。素振りとランニングなどで準備を始めている本間氏は「今は“楽しみ”しかありません」と言った。充電を経て、新天地で新たな野球人生が始まる。(竹内 敦子)

 ▽TRANSYS 05年創部で全日本クラブ野球選手権2度(09、16年)出場。11年ドラフトでは、神保貴宏外野手が楽天に育成1位で指名された。昨年の主な成績は、都市対抗北海道地区2次予選進出、全日本クラブ野球選手権道予選準優勝など。日本野球連盟北海道地区連盟表彰で田中健太投手がクラブチーム努力賞(投手部門)を受賞した。

 ◆本間 篤史(ほんま・あつし)1988年(昭63)8月3日生まれ、余市町出身の30歳。駒大苫小牧1年春の室蘭支部予選からベンチ入り。4番・中堅で、2年夏の甲子園3回戦(対日本航空)で4打点、3年夏も準決勝(対智弁和歌山)で3安打など活躍。高校時代は公式戦通算99安打を放ち、06年に日本高校選抜入り。亜大を経てJR北海道(現JR北海道硬式野球クラブ)でプレーし、17年限りで引退して退社した。1メートル79。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2019年1月9日のニュース