広島ドラ6正随が仮契約 右の長距離砲 目標は「新井さん」

[ 2018年11月15日 05:30 ]

松本スカウト(左)に帽子を被せてもらう正随
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 広島からドラフト6位指名された亜大・正随優弥外野手(22)が14日、都内のホテルで入団交渉し契約金4000万円、年俸700万円(金額はいずれも推定)で仮契約した。長打力が最大の魅力である右の強打者は、セ・リーグ3連覇に貢献し今季限りで現役引退した新井を目標に掲げた。

 これも何かの運命かもしれない。1998年のドラフト会議で広島が6位指名したのが今季限りで引退した新井。あれから20年。同じ6位で、新井と同じ東都大学リーグでもまれた右の大砲候補である正随は“大先輩”と同じ道を歩むべく、プロでの活躍を誓った。

 「あまり意識はしていないけれど、新井さんの達成した数字は一つの大きな目標になる。期待に応えられるように頑張りたい。(将来的には)広島にとって欠かせない存在になりたい」

 中学3年までを広島で過ごしただけに、広島は最も身近な存在の球団。2007年オフに阪神にFA移籍するまでの新井を当然、知っており「とにかく練習をしている姿をテレビなどで見ていた」と当時の印象を語る。広島復帰後はリーグ3連覇に貢献し通算2203安打、319本塁打など偉大な数字を残した。担当の松本有史スカウトからも「新井さんの穴を埋めるバッターになってほしい」と期待を込められた。

 実力はもちろん、雲泥の差だが「しっかり練習することが取り柄の一つ」と、自身と大打者の共通項を挙げる。今春リーグ戦途中に打撃不振に陥って先発を外れ、サポート役に回った。悔しさを胸に夏は誰よりもバットを振り込み、秋季リーグ戦ではレギュラーの座を奪い返し全試合出場を果たした。プロは比較にならないほどの厳しい世界だが「技術で劣っている分、(若いころの)新井さんのように練習して、どんどん力を付けてはい上がりたい」と意気込んだ。

 最初の一歩は1軍入りだ。「1軍に入らないことには始まらないので、そこに向けて頑張りたい」。亜大入学後は食事面にも重点を置き、走り込みなどで体をつくった結果、体重も10キロ増えた。「(今後は)体を絞って、投打はもちろん、短距離のダッシュも取り入れて、いいスタートが切れるようにしたい」。大阪桐蔭では4番を打ち14年夏の甲子園大会で優勝に貢献した実績もある。負けん気魂全開で、下克上を狙う。

 【正随 優弥(しょうずい・ゆうや)】

 ★生まれ 1996年(平8)4月2日生まれ、広島県出身の22歳。

 ★球歴 小学1年から野球を始め、段原中時代は広島鯉城シニアで投手兼外野手。大阪桐蔭では3年夏の甲子園に4番・一塁で出場し、全国制覇に貢献。亜大では1年春から東都リーグ戦に出場し通算87試合で68安打、9本塁打、34打点。3年秋に外野手でベストナイン。

 ★サイズ&投打 1メートル80、93キロ。右投げ右打ち。

 ★祖父 元広島の三原卓三。ドラフト指名後には祖父から球団宛てに直筆の手紙が送られてきたという。

 ★好きな言葉 亜大野球部の合い言葉である「顔晴る(がんばる)」。意味は、晴れやかな顔で一生懸命努力するということ。

 ★好きな食べ物 肉

 ★趣味 映画観賞

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2018年11月15日のニュース