阪神・育成ドラ1片山“虎の甲斐”になる アピールポイントは「デカい声」

[ 2018年11月15日 09:15 ]

福井で有名な恐竜を片手に笑顔でキャッチングのポーズをとる片山雄哉  (撮影・後藤 大輝)
Photo By スポニチ

 阪神から育成ドラフト1位で指名されたBC福井・片山雄哉捕手(24)が14日、福井市内のホテルで入団交渉し支度金200万円、年俸300万円(金額はいずれも推定)で仮契約を結んだ。

 契約を終えた片山は「育成の星と言ってもらえるよう、プロを目指す選手の鏡になっていきたい」と早々に下克上を宣言した。最大の武器は二塁送球完了1秒80を誇る強肩。今季、132試合で先発マスクをかぶった梅野の1・90よりも速い。同じ育成ドラフト出身で日本シリーズで広島に盗塁を許さずMVPに輝いたソフトバンク・甲斐の1秒71も視界に捉えるだけに「自分もそういう1人として(支配下に)上がっていければ」と“阪神の甲斐”をまずは目標とする構えだ。

 譲れないアピールポイントが、もう一つある。「恐竜よりでかい」と豪語する声だ――。ドラフト3位のHonda・木浪も仮契約した際に「元気を出していきたい」と話していたが「声では負けないですよ。負けたら自分の魅力が一つなくなってしまう」と対抗意識をむき出しにした。

 野球エリートとは違い、独立リーグという厳しい環境で野球を続けてきただけに、地元の支援には感謝してもしきれない部分がある。愛知県の出身だが、4年間、福井で過ごしただけに「第2の故郷」として恩返ししたい思いも強い。先の恐竜発言も福井県勝山市にある恐竜博物館を意識したもの。「ふるさと大使」ではないが「福井だったら(郷土料理の)へしこじゃないですか。カニもすごくおいしい。ブランドものなんで是非、食べてほしい」と福井の特産品のアピールも忘れなかった。

 16年の1年間だけだが、阪神の1軍バッテリーコーチに就任した藤井コーチに指導を受けた。師匠は“顔が取り柄”の男前だが、片山は性格が男前。支配下を勝ち取り、超満員の甲子園のお立ち台に立った時には、最高に“ええ声”で「福井」をアピールする。(長谷川 凡記)

 ◆片山 雄哉(かたやま・ゆうや)1994年(平6)6月18日生まれ、愛知県出身の24歳。刈谷工では甲子園出場なし。至学館短大を経て15年からBC福井でプレー。4年目の今季は自己最多の64試合に出場し、打率・330、14本塁打、62打点。1メートル77、83キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

2018年11月15日のニュース