広島・奨成2の0に「不甲斐ない」清宮の本塁打に「いい刺激をもらった」

[ 2018年7月13日 08:08 ]

フレッシュオールスターゲーム   全ウ3―1全イ ( 2018年7月12日    弘前 )

4回無死一塁、中飛に打ち取られる中村(右)(撮影・木村 揚輔)
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 プロ野球の若手有望株が集うフレッシュオールスターゲームが12日、青森県の弘前市運動公園野球場で行われ、広島・中村奨成捕手(19)が奮闘デビューを果たした。ウエスタン・リーグ選抜の「8番・捕手」で先発出場。2打数無安打、清宮に被弾を許す結果にも「いい刺激をもらった」ときっぱり。味わったホロ苦さを糧に1軍での台頭を誓った。

 スター候補が集まる舞台で奮闘した。ウエスタン・リーグ選抜の一員として「8番・捕手」で先発した中村奨。2打数無安打で交代し、「MVPを狙いたい」という目標は叶わなかったものの、4回の中直などフルスイングで弘前のファンを魅了した。

 「きょうは、不甲斐ないプレーをしてしまった。次は1軍の舞台で頑張りたい」

 1軍を目指す舞台でも奮闘中だ。ウエスタン・リーグでは今季、出場55試合で打率・211、3本塁打、10打点。昨夏の甲子園大会で1大会最多の6本塁打を放ち、鳴り物入りで入団した大型捕手にしてみれば不本意に違いない。本人も認める。

 「いい経験をさせてもらっているけど、パワーが全然違う。体力もだし、守備に打撃。課題は一つじゃない。まだまだレベルアップしないといけない」

 中でも重点的に取り組むのが守備だ。「一番の課題は握り替え」と倉2軍バッテリーコーチ。プロのスピードに対応するには、捕球後、瞬時に送球する必要がある。だが、握り替えが不得手なため正確性を欠き、強肩を生かし切れていない。

 打撃も途上にある。スイングの際に左脇が開き、バットが遠回りしてしまう悪癖。朝山2軍打撃コーチは「最短距離でバットを出さないと、プロの速球は打てない。3年のスパンで考えている」と言う。潜在能力を認めるからこその期待だ。

 試合前には、同学年の日本ハム・清宮と半年ぶりに再会し、「調子はどう?」などと談笑。サイン会では、ウエスタン選抜で一番の人気を集めた。それもこれも、19歳のハートを刺激するものだ。チームの4番を担う先輩の金言も心に刻む。

 「(鈴木)誠也さんに“プロに対応でき、自分に合うフォームに変えて行けば”と助言をもらった。コーチの意見を聞き、良さを消さずに頑張りたい」

 マスクをかぶっては2盗塁を許し、清宮には一発を浴びた。「間近で本塁打を見て、いい刺激をもらった」。ちょっぴりホロ苦い結果も明日への糧だ。スター候補には、まだたっぷり時間がある。 (江尾 卓也)

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2018年7月13日のニュース