【滋賀】彦根東 秀才左腕快投、3季連続聖地へ貫禄発進

[ 2018年7月13日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念滋賀大会1回戦   彦根東12―0大津 ( 2018年7月12日    県立彦根 )

<彦根東・大津>彦根東の先発・増居は4回を1安打無失点と貫録の投球(撮影・井垣 忠夫)
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は12日、35大会で257試合が行われた。滋賀大会では3季連続で甲子園を目指す彦根東が登場。U―18日本代表1次候補にも選出されているエース左腕の増居翔太投手(3年)が4回を1安打無失点7奪三振という貫禄発進を見せた。香川大会では高松商が零封で初戦を突破。西兵庫大会では姫路工が東洋大姫路との強豪対決を制した。

 3季連続で聖地を目指す彦根東・増居が、大津打線の前に立ちはだかった。投じた全50球のうち47球が直球。3回戦以降の過密日程も見据えて100%の全力投球を封印したうえで4回を1安打無失点7奪三振という貫禄発進を見せた。

 「緊張感が解けないまま進んでいきました。フォームもまだしっくりきていませんし、選抜に比べれば60〜70%。腕を振っているわりには球が走っていなかったので、コントロールを意識しました」

 初回は先頭打者の片山から空振り三振を奪い、わずか8球で3者凡退。2―0の3回1死から右中間二塁打で初めて走者を背負ってギアを入れた。後続を二ゴロ、空振り三振に封じてピンチを脱出。4回は3つのアウト全てが空振り三振だった。チェンジアップは使わず、スライダーとカーブのみ。近江をはじめとするライバル校に手の内を明かさなかった。

 村中隆之監督にも「春以降は変化球の精度が上がりました」と成長を認められ、集大成の夏を迎えた。今春選抜の花巻東との3回戦では9回まで無安打無得点。0―0のまま延長戦に突入したため大記録はならなかったが、全国にその名を知らしめた。6月には侍ジャパンU―18代表の第1次候補選手にも選出。「夏の結果も考慮されると思いますので」と浮かれた様子はみじんもない。

 京大への進学希望は変わらず、ラストサマーと受験勉強を両立させる。「ここから徐々に状態を上げて、悔いのないように戦っていきたい」。正真正銘のクレバー左腕。熱く、長い夏が始まった。

 ◆増居 翔太(ますい・しょうた)2000年(平12)5月25日生まれ、滋賀県彦根市出身の18歳。彦根東では1年秋から外野手でベンチ入りし2年春から投手。2年夏と3年春に甲子園出場し、3年春は3回戦の花巻東戦で9回まで無安打投球も延長10回0―1でサヨナラ負け。侍ジャパンU―18代表第1次候補選手。1メートル71、64キロ。左投げ左打ち。

 ≪打線成長12得点≫打線は12安打12得点の猛攻で、春以降の成長ぶりを感じさせた。選抜は3回戦、今春の滋賀大会は準々決勝でいずれも零敗。打線強化が課題とされていただけに村中隆之監督は「春に比べたら調子が上がってきた。いいスタートを切れたと思います」と手応えを感じた。大会前の練習試合では好投手の呼び声が高い菰野(三重)・田中、星稜(石川)・奥川らを攻略。3季連続の甲子園へ視界は良好だ。

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2018年7月13日のニュース