野球人生の岐路に立つ木村昇 「松坂世代」の“端くれ”として

[ 2017年11月5日 10:45 ]

中前打を放つ木村昇
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 「松坂世代」が瀬戸際に追い込まれている。今オフに巨人の村田と実松、広島・梵、DeNA・久保康、西武・渡辺直が戦力外通告を受けた。西武・上本、広島・江草は引退を決断。世代の旗頭だった松坂自身もソフトバンクの来季戦力構想から外れ、今季限りでの退団が報じられた。

 西武から戦力外通告を受けた木村昇も「松坂世代」の1人。西武第2球場に隣接する室内練習場で連日汗を流す。15日に開催される12球団合同トライアウトの受験を決めた。「あぐらをかいて他球団からオファーを待つ立場じゃない。37歳の年齢がネックになるかもしれないけど、“全然動ける、打撃の反応もいい”と思ってもらえるかもしれない。野球が大好きだし、まだできると思っているから」。引退の2文字が脳裏をよぎることはなかった。昨年6月に右膝全十字じん帯断裂の大けがを負ったが、患部に不安はないという。

 同世代の中で異質の野球人生だ。02年ドラフト11位で横浜(現DeNA)に入団。07年シーズン途中に広島にトレードされた。15年オフにFA宣言も1カ月以上獲得球団が現れず、テスト入団で西武に移籍した。波瀾万丈な生き方。世間からは「無謀」とバッシングも受けた。心が折れなかったのか。「会ったことない人から(インターネットで)叩かれる。でも、厳しい言葉も叱咤激励と受け止めている。言われるうちが華だから、ありがたいと思わないと。(ドラフト)11位でしょ。上を向くしかないから」と笑う。記者も同学年だが、心の芯が本当に強い選手だと感心させられた。

 世間で37歳は働き盛りだが、新陳代謝が激しいプロ野球界ではベテランと呼ばれて野球人生の岐路を迎える。プロで15年間生き抜いてきた木村昇は同世代への特別な思いを口にする。「他の学年に比べてここまで多くの選手がプロの世界で生き残っているのが稀でしょう。(松坂)大輔に引っ張られて、和田、(村田)修一と大きな軸がいる。僕はレギュラーを獲ったことのない端くれ。でも松坂世代でひとくくりにされるのがうれしい。お互いの道は違うけど、気になる。オレも頑張ろうって思う」。互いが切磋琢磨してプロの世界で戦い続けた「松坂世代」。もう一花咲かせてほしいと、心から思う。(記者コラム 平尾 類)

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