【石井一久クロスファイア】ソフト「考える力」VSハム「機動力」

[ 2016年9月21日 10:53 ]

日本ハムの西川(左)とソフトバンクの内川

 まさに正真正銘の天王山。今週の日曜日(18日)、ヤフオクドームでソフトバンクの工藤監督に話を聞いた。その中で監督が自信を持って言ったのが「うちのチームは考える力がある」という言葉。例えば、送りバントのケースでもベンチがサインを出さなくても選手が自主的に判断してバントするという。

 やはり2年連続でパ・リーグのレギュラーシーズンを勝ち抜き、日本一になった経験値というものは、ここぞの場面で生きる。今月2日に柳田が右手薬指の骨折で離脱したが、それ以降の内川と松田の活躍はめざましい。内川は打率・339、3本塁打、15打点、松田は・375、3本塁打、8打点。この試合は絶対に勝たないといけないという時に勝てるのが、ソフトバンクの強さだ。その松田に、大谷との対戦について聞いた。「まずは大谷を打たないと勝てない」と言ったが、その言葉に悲愴(ひそう)感は一切なく、目がギラギラしていた。大一番への気持ちの持っていき方をチーム全員が知っている。

 ソフトバンクのチーム力に日本ハムはどう対抗するか。一つは、機動力。真の天王山というのは、過去の歴史を見ても大味な展開になることは少なく、試合が固まってしまうことが多い。そのこう着状態をこじ開ける「道具」を、日本ハムの方が多く持っている。陽岱鋼、西川、中島と過去3年間の盗塁王がおり、田中賢も走れる。特に西川は8月以降は打撃好調で出塁率も高いので、キーマンになるのではないか。

 問題は大谷の起用法。リアル二刀流時の投打成績(6勝0敗、打率・470)は圧倒的で、特に3番に入ると、打線のつながりがよくなる。この大一番で使わない手はないが、ただ、7月3日を最後にやっていないという不安はある。今回は2連戦で、どちらも当然2連勝を狙ってくる。栗山監督は2戦目は、「先発翌日の打者起用」を解禁してくるのではないか。(スポニチ本紙評論家)

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2016年9月21日のニュース