岩貞、雨天中止で10勝狙うチャンス 最終戦G倒で決める

[ 2016年9月21日 08:40 ]

10勝を狙う岩貞

 阪神の岩貞祐太投手(25)に、絶望的と見られていたプロ入り初の2ケタ勝利達成の可能性が出てきた。台風接近により中止となった20日の巨人戦(甲子園)の代替試合が、10月1日に組み込まれたことで、金本知憲監督(48)は、あと2度、登板機会を与えるローテーション再編プランを口にした。

 閉ざされていた大台到達への道が、思わぬ形で開けてきた。岩貞は、前日19日の巨人戦(甲子園)で8回1失点の好投を披露して今季8勝目(9敗)をマークした。試合後、香田投手コーチは、残り1度の登板機会を明言しており、中5日で向かう25日の中日戦(ナゴヤドーム)が今季ラスト先発の方針だった。

 だが、一夜明け、状況は変わった。20日の巨人戦(甲子園)が台風接近により中止となり、代替試合は今季最終戦となる10月1日に組み込まれることが決定。中日戦のあと、中5日で巨人戦に登板するプランが急浮上してきたのだ。金本監督も開幕から超変革の申し子として奮闘してきた岩貞の10勝を援護するべく、ローテーション再編に含みを持たせた。

 「そう(岩貞はあと2試合登板する可能性はある)やね。きょう(の中止)でローテーションをちょっと(考える)。十分ありえる。いつも言うけど、順位が決まるかどうかにもよるし」

 もちろん、次回登板できっちりと9勝目を手にして、王手をかけることが最低条件。さらにチームの順位が確定しているかなど流動的な要素もある。ただ、今季、対戦防御率5・40で未勝利と苦手にしている中日から白星をもぎ取ることができれば、巨人は3戦2勝、防御率0・75とカモにしているだけに、視界は良好だ。球団の左腕で入団3年目以内で10勝を挙げれば08年の岩田以来8年ぶり4人目だ。投手陣を支える次代のエース候補にとって、すでに達成した規定投球回と2ケタ勝利は大きな自信となる。

 20日は登板翌日とあって、軽めのキャッチボールなどで汗を流した左腕は、雑念を振り払うように目の前の1試合に集中する構えを見せた。

 「(あと2度の登板機会の可能性については)もうないと思います。しっかりコンディションを作って、万全で(中日戦に)いけるように。しっかり最後の1試合に集中していきたい。しっかり、勝ちたいです」

 一戦必勝の思いは変わらない。9月は3試合に登板して3勝、防御率・0・72と抜群の安定感を誇り、月間MVPも狙える位置につける。飛躍のきっかけをつかんだ1年に「勲章」で華を添える。(遠藤 礼)

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2016年9月21日のニュース