大和V打 5点差逆転締めの一打で借金生活の危機救った

[ 2016年5月2日 05:30 ]

<神・D>決勝打を放った大和は子どもたちとハイタッチ

セ・リーグ 阪神7-6DeNA

(5月1日 甲子園)
 今季最多4万6605人が詰めかけた甲子園球場で、奇跡の大逆転劇が起きた。阪神の大和外野手(28)が1日、DeNA戦(甲子園)の8回に右前へ決勝打。7回に打者10人の猛攻で5点差を追いつき、盛り上がりは最高潮だった。チームも敗れていれば借金生活突入のピンチを脱した。

 7回に一挙5得点した勢いを、はっきりと感じていた。ムードは押せ押せ、勝利の女神がこちらを向いているのも見えた。6―6の8回、2死一、三塁。大和が一番おいしいところをかっさらっていった。

 「良い雰囲気で打席に入れて、そこで決められて良かった。追い込まれていたので何とかバットに当てようと、三振だけはダメだと思っていた」

 カウント1―2から須田の136キロ外角直球を右前へ。最大5点差をつけられて一度はあきらめていたはずのスタンドが揺れる。大歓声が降り注ぐ。普段はクールな男もさすがに胸が熱くなり、一度だけ控えめに右手を突き上げた。

 3年ぶりの甲子園でのお立ち台では「今年は得点圏で打てていないのが自分でも分かっていた。いい形で回ってきたので運よく自分がいい形で打ててよかったです」と声を弾ませた。

 “理想”とは異なる一打だった。打席では強く振ることが“金本イズム”だからだ。試合前のフリー打撃でも、打球はほとんど引っ張った左翼方向。「去年とは比べものにならないくらい引っ張る気持ちは強い。レフトへの強い打球は常に意識しているよ。もちろんケースバイケースで、投手や状況でセンターやライトを狙うけど」

 意識が変われば行動が変わる。今年1月、熊本県で行った森越との合同自主トレでも打力アップにこだわったメニューに特化した。「強くスイングをするということは、腕周りだけじゃなくてその他のところも鍛えないとね」。午後からはウエートトレーニングだけという日も…。強いスイングを生むための肉体強化に取り組んできた。

 その成果は確実に出ている。3回の左翼への二塁打は内角速球を鋭く振り抜いたものだった。初回にも右前打しており、今季2度目の猛打賞で守備の人がナント打率・318まで上昇した。

 「若手の台頭もあるけど、いつかチャンスはくると思って準備もしてきた。結果さえ出せば、また試合に出られるので気持ちを切らさずやる」

 二塁でも中堅でもグラブを持てば誰にも負けない自負がある。それだけに課題のバットで数字を残し、金本監督からも最高級の言葉をもらった。「そんなに率は残さないけど、試合を決める勝負強さを持っている。(戦線離脱中の西岡)ツヨシもちょっと、あせってるんじゃない? わかんないけどね(笑)」。今シーズンのチーム一番の「超変革」は、大和の打撃かもしれない。 (久林 幸平)

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