原樹やっとプロ1勝「伊藤コーチのおかげ」で高木撃ちV打

[ 2016年5月2日 05:30 ]

<ヤ・巨>2回2死一、三塁、逆転の2点適時二塁打を放つ原樹。投手・高木勇

セ・リーグ ヤクルト11-2巨人

(5月1日 神宮)
 クラブハウスで取材を受ける間、ヤクルト・原樹はウイニングボールをずっと握りしめていた。6回を5安打2失点。6試合目の登板でつかんだプロ初勝利に「心が折れそうなときもくじけちゃいけないと思った。両親にプレゼントします」と安どの表情を浮かべた。

 初回に2点を先制される苦しい立ち上がり。その流れを変えたのは、自らのバットだった。中村の中犠飛で1点差に迫り、2死一、三塁の好機で「何とか取り返したい、と思いっきり振った」。プロ初安打は左中間を破る逆転2点適時二塁打。東洋大時代はDH制だったため、高校3年以来の安打が決勝打となった。

 新人投手が自らの決勝打でプロ初勝利を飾るのは、球団では93年の伊藤投手コーチ以来、23年ぶり。前日の犠打練習、その伊藤投手コーチが「伝家の宝刀」スライダーを投げ込み、犠打で手を出してはいけない外角のコースの助言を受けていた。高木のカットボールを仕留め「伊藤コーチのおかげ。切れの良い球を投げてくれたし、目が慣れていた」と感謝した。

 家族の支えで今がある。声楽家の父・敏行さん(82)は独学で野球を学び、原樹が小学1年生の時から指導してきた。夜は懐中電灯で的当てを照らし続ける中で投球練習。バッティングセンターにも毎晩連れて行った。大学では入学前に投手で駄目なら野手転向の話があったほど打撃センスも評価されていた。「親父が好き勝手にやらせてくれたからここまでこられた。年齢が年齢なので勝ちたいと思っていた」と神妙な表情だった。

 本職の投球は冷静沈着だった。2点を失い、さらに初回2死一、二塁のピンチで村田を一ゴロ。4回2死一、三塁も片岡を三ゴロ。いずれも内角をえぐるシュートだった。「相手(の読み)を見て投げるのが僕の持ち味」と6回は村田の打席で中村のサインに5度首を振り、カーブを選択して見逃し三振。2回以降は無失点に切り抜けた。

 チームは巨人相手に同一カード3連勝。「今日は(山田)哲人さんが打ってくれたので2人の日にしてください」。お立ち台で声を張り上げた表情は喜びに満ちていた。(平尾 類)

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