また火を噴いた最強鯉打線 大逆転3連勝で単独首位浮上

[ 2016年5月2日 05:58 ]

<広・中>5回2死一、三t塁、代打・エルドレッドが左中間に逆転の3点本塁打を放つ

セ・リーグ 広島10-7中日

(5月1日 マツダ)
 また爆勝だ。広島は1日の中日戦(マツダ)で今季初の同一カード3連勝。4点を追う5回、2死走者なしからの長短6連打が圧巻だった。4番・新井が左前打で口火を切ると、代打・エルドレッドは2桁リーグ一番乗りの10号逆転3ランを放ち、一挙6点の猛攻だ。2番手・戸田が今季初勝利を挙げ、チームは今季最多の貯金5。巨人を抜いて4月15日以来の首位浮上に成功した。

 去年までとは違う。1点差に迫った5回、なおも2死一、三塁の好機。カウント1―1から微妙な外角球をストライクと判定され、代打・エルドレッドは失望の色を表情や態度に表した。イラ立ち、追い込まれた後にボール球に手を出すのが従来のパターン。だが、今季はまるで別人だ。

 「ホームランが欲しかった場面。打った瞬間に手応えがあったよ」

 続く4球目、ボール気味の外角高め直球をコンパクトに振り抜くと、122キロの巨体に弾かれた打球は左中間席へ吸い込まれた。ここまで9本はすべてソロアーチ。今季初となる走者を置く場面での一発は、リーグ一番乗りの2桁10号、価値ある逆転3ランだった。

 「打席でボールをしっかり見ているから、こういう結果につながっていると思う。ソロも嬉しいが、皆がつないでくれて打つ方が嬉しいね」

 開幕から両足裏に痛みを抱える。首脳陣は休養を与える意味で、大砲を今季初めて先発から外した。試合前はグラウンドに姿を見せず、室内でティー打撃をしたのみ。それでいて昨季8月22日、巨人戦(マツダ)以来の代打アーチとは。当日も逆転2ラン。ひと振りの集中力は特筆ものだ。

 それまでの攻撃も凄まじい。2―6の5回、2死走者なしからドラマは起きた。口火を切ったのは左前打の新井だ。松山が右前打でつなぐと、鈴木は適時二塁打を左翼線へ。1点を返して、なおも2死二、三塁。安部の2点右前打で同点とし、会沢も10球粘った末に中前へ運び、代打・エルドレッドが告げられた。

 ナインの思いを新井が代弁した。「ナイスゲーム。負けている展開でも、絶対にあきらめない気持ちを皆が持っている」。緒方監督も賛辞を惜しまなかった。「昨日に続いて打線がね。点を取られても集中力を切らさず、つないで見事な攻撃をしてくれた」

 2試合連続、今季早くも6度目となる2桁得点の猛爆で、4月15日以来の首位浮上。6連戦の総得点は54となり、1試合平均9得点を挙げる強力打線の勢いは、とどまるところを知らない。その中心に陣取るエルドレッドは「足は大丈夫。チームが勝つ中でホームランを打ちたいね」と、どこまでも力強かった。(江尾 卓也)

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2016年5月2日のニュース