雄星 連敗13で止めた!6回2/3零封「きょうは足がガクガク」

[ 2015年8月6日 05:30 ]

<楽・西>連敗を止め、田辺監督(左)とハイタッチする菊池

パ・リーグ 西武6-1楽天

(8月5日 コボスタ宮城)
 雄星が止めた!西武は5日、楽天に6―1で勝ち、前日に球団ワースト記録を更新した連敗を13でストップした。先発の菊池雄星投手(24)は立ち上がりから気迫あふれる投球。1軍では自己最速タイの154キロをマークした速球で押しまくり、6回2/3を5安打無失点で1カ月ぶりの6勝目を挙げた。チームの勝利は実にオールスター戦前の7月14日以来。夏場の巻き返しへ、若き左腕の力は欠かせない。

 ヒーローインタビューでの第一声はため息交じりだった。球団ワースト記録の連敗を止めた菊池に笑顔はなかった。

 「いやー、もー、長くて。やっとで、ホッとしています。いつもは緊張しないけど、きょうは足がガクガクでした」

 13連敗で迎えたマウンド。「行けるところまで飛ばす。つぶれたら次の投手が助けてくれる」。初回から左腕を思い切り振った。先頭の聖沢を、151キロ直球で見逃し三振。続く藤田は、1軍では自己最速タイの154キロで三ゴロに斬った。2回は全て空振りで3者三振。3~6回は1安打しか許さなかった。

 7回2死で枡田に四球を与えると、菊池の顔が苦痛にゆがんだ。左足親指のまめがつぶれたのだ。「調子がいいときほど出やすい」。続く後藤に安打を許して降板したが、6回2/3を5安打無失点。全92球のうち、直球は67球を数え、しかも45球が150キロを超えた。

 報道陣の「連敗脱出のために、直球の割合を増やしたのか」という質問には「僕はそんなに男気はないです」と照れたが、チームの窮地を救ったのは、菊池の鬼気迫る直球勝負だった。3連敗中だった自身も約1カ月ぶりの6勝目だ。

 6連敗目となった26日日本ハム戦(西武プリンス)の後、選手会長の牧田が投手陣だけを集め、緊急ミーティングを開いた。その後、先発陣は誰もが「俺が止める」と声を上げ、登板日を迎えた。しかし止まらない。13連敗中に自身も2敗していた菊池は「投手陣で本当に悔しい思いをしていた」と振り返る。

 仙台市内は日中、35度を超えた。「暑いのが好き」という左腕にはもってこいの季節だ。09年夏の甲子園。花巻東のユニホームを着て、しゃく熱のマウンドに立っていた。3回戦・東北戦で、当時自己最速の154キロを計測し、岩手県勢では41年ぶりの8強入りを決めた。この日はその154キロを6度計測。6日に開幕する甲子園に出場する後輩たちからも刺激を受け、「元気を付けてほしい」との思いから桃の差し入れも決めた。

 田辺監督は後半戦初勝利に「ハァー」とため息をついた後、天井を見ながら「一つ勝つのにこんな思いをしたのは初めて」と何度もまばたきをした。そして「きょうはパワーピッチングでいくと決めて、直球で押しまくってくれた」と称えた。

 菊池が連敗を止めたのは、自身がプロへの道を歩み始めた東北の地。「東北が好き。友達も来てくれて、そういう中で投げることができて良かった」。24歳は右手を上げて、スタンドの声援に応えた。(神田 佑)

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