阪神ドラ3江越 貴重な2号ソロ「風にも助けられました」

[ 2015年7月23日 07:39 ]

<神・巨>6回無死、江越が2号ソロを放つ

セ・リーグ 阪神4-2巨人

(7月22日 甲子園)
 「入ってくれ!」―。そう1番強く願ったのは4万人を超える大観衆ではなく、打った阪神・江越本人だった。

 「打球が上がりすぎたので必死に走りました。風にも助けられました」

 歓喜の場面は2点リードの6回。先頭で打席に入ると、カウント1―1から笠原の直球を強振した。浜風に乗った打球は左中間席の最前列に着弾。猛虎の勝利をグッと引き寄せる貴重なソロ本塁打に、甲子園は歓声の渦に包み込まれた。

 失敗を繰り返さなかった。6月20日ヤクルト戦以来のスタメン出場となった前夜(21日)の試合では3打数無安打2三振と沈黙した。「久しぶりの1軍で硬くなってしまった」と反省して迎えたこの日は1打席目の初球からフルスイング。結果は三邪飛だったが「最初から振っていけたのは良かった」と硬さはとれ、2打席目には左前打を放ち本来の形を取り戻した。「きのうの内容がダメだった中でスタメンで使ってもらい、結果が出て良かった」。

 この日のアーチには、特別な感謝の思いが込められている。6月10日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に母校の長崎県南島原市立慈恩寺小学校を含む近隣小学校の6年生が修学旅行で試合観戦に訪れていた。生徒たちが用意していたものは「江越選手、頑張れ」とメッセージが書かれていたお手製の応援旗。しかし、この試合は最後まで出番がなく、お披露目の機会がないままに終わっていた。

 後日、その旗は江越の手元に渡り、今は自室に大切に保管されている。「すごい嬉しかった。プレーでも何でも、何かの形でお返しできれば良いなと思います」。遅ればせながら雨の甲子園で架けたアーチは、後輩たちへのお返しのプレゼントだった。

 「毎日がアピールだと思っている。練習からしっかりアピールしていきたい」と最後は表情を引き締めた背番号25。多くの思いを胸に留め、ひたすらに上を目指し続ける。(久林 幸平)

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