独走2位に6差!ソフトバンク 30日にもマジック42点灯へ

[ 2015年7月23日 05:50 ]

<ソ・ロ>5回1死二、三塁、3ランを放った柳田はナインの出迎えを受ける

パ・リーグ ソフトバンク4-1ロッテ

(7月22日 ヤフオクD)
 ソフトバンクは22日、ロッテを4―1で下し3連勝。貯金を今季最多の24とした。1―1の5回に、柳田悠岐外野手(26)が右翼席中段に9試合ぶりとなる決勝の18号3ランを運び、試合を決めた。これで鷹の祭典は9連勝。2位の日本ハムとは今季最大の6ゲーム差となり、早ければ今月30日にも優勝に向けたマジック42が初点灯する。

 久しぶりの快音だった。1―1で迎えた5回2死二、三塁。柳田は左腕チェンの真ん中高め138キロ直球を、右翼席の中段まで運んだ。9試合ぶりの一撃は、推定飛距離130メートルの決勝18号3ランだ。

 「ここ最近のアレ(不振)は吹き飛びました」 最後に一発を放ったのは7月2日の西武戦(ヤフオクドーム)。それ以降、8試合で打率・194と今季初の不振に陥った。球宴前から体の開きが早くなり、引っかける内野ゴロが増えていた。 昨季は藤本打撃コーチ(現2軍)に「ゴミか天才」と言われるほど好不調の波は大きかったが、今季は調子を取り戻すのに長い時間は不要だ。この日、早出特打に珍しい背番号9の姿があった。「やれることをやって、その中にヒントがあると思う」。原点に戻ると「素振りでマシになりました」と修正点は拍子抜けなほどすぐ、見つかった。

 だが、努力は見えないところでやっている。今季の好調を支えているのは「スコアラー室」だ。昨季までは不調の時しかノックしなかった部屋を今季は毎試合後、訪れる。球宴では首位打者争いを繰り広げる西武・秋山に「打ち方、変わった?」と聞かれると「え?どこ」と前のめりになる姿があった。早出特打に姿を見せた日に、これまでの積み重ねが実を結んだ。

 苦しめられた「鷹の祭典」の呪縛ともおさらばだ。入団以来、このイベントには縁がなかった。試合前までの通算は47打数7安打0打点。「鷹の祭典は打ててなかったのでこれで目が覚めました」。5年目で初のアーチだけではない。これが初打点と意外すぎる過去に別れを告げた。

 「打てない時期は必ずある。乗り越えなければ野球選手として、大きくならない。(悩むのも)大事な時期だと思うよ」と工藤監督はトンネル脱出を喜んだ。チームは3連勝で貯金は今季最多の24。2位・日本ハムとは6ゲーム差をつけ、最短で今月30日にも優勝へのマジック42が点灯する独走態勢に入ってきた。

 「(独走というのは)そんなの早い。一試合一試合、大事に戦いたい」と柳田は言った。復活ののろしには、十分過ぎる特大の放物線だった。(福浦 健太郎)

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