福島敦彦氏　投手陣を支えた報徳学園・堀　リード、声かけ…主将として捕手として大きな存在感

第95回選抜高校野球大会第10日・準々決勝   報徳学園5―4仙台育英 （ 2023年3月29日    甲子園 ）

＜報徳学園・仙台育英＞8回を無失点に抑え、今朝丸（右）に声を掛ける報徳学園・堀（撮影・須田　麻祐子）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】ミスが失点につながる部分もあったが、実力伯仲した両校による期待通りの熱戦。勝敗は時の運で、誰も責めることはできない。

　仙台育英の先発だった仁田君は実力を発揮できなかったが、登板した両校の投手はそれぞれ持ち味を発揮。中盤以降は攻め合い、守り合いの連続で、見ているこちら側が何度も手に汗を握った。

　報徳学園は先発の間木、3番手の今朝丸の両投手が2年生。ともに今大会でも登板経験があるが、主将で捕手の堀君の存在が大きかった。リードはもちろん、細やかな声かけ、全体を見渡す能力が高い。延長10回に二盗こそ許したが、強肩が仙台育英の足攻めの抑止力にもなり、投手陣に安心感を与えている。

　夏春連覇を狙った仙台育英も“負けて強し”だった。9回2死無走者から橋本君が粘って四球を選び、次打者の中堅への平凡な飛球（記録は失策）に全力疾走して生還を果たした。チームとして諦めない姿勢はもちろん、野球の取り組みに対する姿勢が表れたもので、好感が持てた。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）