【新球場初戦の歴史(6)1993年・福岡ドーム】村田勝喜VS野茂英雄のエース対決は野茂に軍配

[ 2023年3月30日 16:22 ]

1993年、日本初の開閉式ドーム・福岡ドーム開幕戦は4万8000人の観衆が詰めかけた
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 3月30日、日本ハムの新本拠地エスコンフィールドHOKKAIDO「日本ハム―楽天」で2023年のプロ野球が開幕する。選手もファンも胸を躍らせる新本拠地の戦い。1970年代以降、阪神、ヤクルトを除く球団が真新しいフィールドで新時代のスタートを切った。超満員の熱気の中で迎えた、過去の“新本拠地初戦”その結末は…。

 ~エース村田好投も野茂に屈辱零封負け~

 <1993年 福岡ドーム>ダイエーの南海買収、保護地域移転から5年。九州のプロ野球の聖地・平和台球場から日本初の開閉式ドームに本拠地が変更となった。

 前年オフ、チーム強化のために田淵幸一監督を退任させ、西武球団管理部長の根本陸夫氏招へい。新監督で迎えた1993年シーズン4月17日、開幕6試合目、福岡ドーム初のプロ野球公式戦の相手は近鉄だった。折からの晴天。プレーボール前、総重量1万2000トンの屋根が開き満員4万8000大観衆の歓声が上がった。

 ダイエーの先発は2年連続2桁勝利の若きエース村田勝喜。近鉄はルーキー年から3年連続最多勝、最多奪三振。3年間で53勝を挙げている野茂英雄だった。ダイエーは立ち上がり制球の悪い野茂から2回までに5四球を選ぶがヒットが出ない。両エースの投げ合いで試合は終盤へ。9回、村田が石井浩郎に痛恨の適時二塁打を浴びて無念の“完投負け”福岡ドーム初戦の白星は消滅した。

 同ドームの初勝利は翌日の18日。3回、ラルフ・ブライアントのドーム1号となる2ランなどで4点を失ったが、追撃。8回代打・山本和範の2ランで逆転した。若田部健一が完投勝利を挙げた。

 この年、ダイエーは最下位ながら観客動員が前年の167万7000人から246万2000人にはねあがった。

※球場名、球団名、選手登録名などは当時

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