広陵のボンズ・真鍋　“ポン酢”に発奮!「へこまず強い気持ちで」3安打　13年ぶり4強導いた

第95回選抜高校野球大会第10日・準々決勝   広陵9―2専大松戸 （ 2023年3月29日    甲子園 ）

＜広陵・専大松戸＞4回、中越えに適時二塁打を放ち、ガッツポーズの広陵・真鍋（撮影・北條　貴史）
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　勝利のために――。広陵のスラッガー・真鍋慧が、プロ注目右腕の攻略に向け、1メートル89のボディーにギアを入れた。初回に右前打すると「打球の強さと右翼の位置を見て判断した」と二塁に激走。惜しくもアウトになったが、主砲のチャレンジが打線を点火した。

　「絶対に勝つんだ。そのためにも打つしかない」。思いは伝わった。2回に6安打を集中するビッグイニング。とどめも真鍋だ。1死一、三塁で左中間最深部のフェンスを直撃する適時二塁打。4回2死二塁でも中越え適時二塁打。初戦の二松学舎大付戦に続く2度目の3安打で、今春成績を11打数6安打、打率・545に上げた。

　3回戦の海星戦では無安打に終わり、中井哲之監督から「ボンズじゃなくポン酢」と酷評されたが、「悔しかったけど“頑張れ”というメッセージだと思った。へこまずに強い気持ちで向かった」。しっかりと間を取るため、中井惇一副部長とのコンビでゴムチューブを腰に巻き、前に突っ込まないよう修正。指揮官も「初回から気合が入っていた。きょうはもちろんボンズです」と笑顔で語った。

　「自分でも90点くらい与えることができる内容。準決勝も一戦必勝で行くだけ」

　13年ぶりの4強入りを決め、宿舎で同部屋の小林隼翔主将と誓った03年春以来20年ぶり4度目の頂点にあと2勝。上昇気配の真鍋に一発の予感も漂った。（鈴木　光）

　《倉重好投2失点エース温存成功》先発した広陵の左腕・倉重聡が7回途中2失点。岡山勇斗との継投で、エース高尾響の温存にも成功した。2回に死球と3連打で先制されたが「1点でしのげたのが大きかった。甲子園の雰囲気に興奮したけど、味方が反撃してくれて、長いイニングを投げることができた」。公式戦初先発した昨夏の広島大会3回戦の英数学館戦で敗戦投手となった反省から、一球を大切にする意識を徹底。甲子園での白星につなげた。

　広陵・中井哲之監督は春夏通算37勝目を挙げ、蔦文也氏（池田）、小倉全由氏（日大三）と並ぶ歴代9位タイに浮上した。