【新球場初戦の歴史(7)1997年・ナゴヤドーム】敵将猛抗議のままゲームセット…後味の悪い初勝利

[ 2023年3月30日 16:35 ]

97年、ナゴヤドーム
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 3月30日、日本ハムの新本拠地エスコンフィールドHOKKAIDO「日本ハム―楽天」で2023年のプロ野球が開幕する。選手もファンも胸を躍らせる新本拠地の戦い。1970年代以降、阪神、ヤクルトを除く球団が真新しいフィールドで新時代のスタートを切った。超満員の熱気の中で迎えた、過去の“新本拠地初戦”その結末は…。

~初白星も敵将の怒号渦巻くゲームセット~

 <1997年 ナゴヤドーム> 中日は名古屋市中川区のナゴヤ球場を1949年から本拠地として使用してきた。54年の日本一や74年、巨人の連覇を阻止したリーグV。94年の「10・8」決戦など歴史を刻んできたホーム球場に別れを告げ97年、移転した。名古屋市東区に97年2月に完成した「ナゴヤドーム」。4月4日、新本拠地初戦で中日は横浜と対戦した。

 星野仙一監督が先発に指名したのは山本昌。プロ14年目にして初めての開幕投手であった。初回1点を先行されたものの、その裏、立浪和義がドーム初本塁打となるソロを放ち同点。3回にもアロンゾ・パウエルが1発を放ち、横浜先発・盛田幸妃を6回で引きずり降ろした。山本昌は完投目前の9回2死から進藤達哉に二塁打を浴び、佐伯貴弘の右越え三塁打で1点差とされ降板。宣銅烈がマウンドに上がった。谷繁元信への2球目、宣の投球は高めに抜ける球。捕手の中村武志(スポニチ評論家)が後逸したのを見た三塁走者・佐伯が本塁に突入するが、中村からベースカバーに入った宣にボールが送られタッチアウトとなった。この瞬間にゲームセットとなったが、横浜・大矢明彦監督が判定に猛抗議。後味の悪い新本拠地初勝利となった。この年、星野竜は59勝76敗1分けの最下位に沈んだが、観客動員は約52万人増となった。

※球場名、球団名、選手登録名などは当時

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