ソフトB・王会長、柳田奮起へ金言 「真っすぐを打つことをベースにしてた。全部打とうとしても無理」

[ 2023年3月30日 06:00 ]

フリー打撃で藤本監督(左)と打球の行方を見つめる柳田(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(82)が29日、オープン戦の打撃が本来の調子から遠かった柳田悠岐外野手(34)へ助言を送った。甘い直球を確実に捉えるという打撃の基本に立ち返るようアドバイス。さらにリーグ優勝、日本一奪還を目指すチームには、2023年型の戦い方をシーズン序盤でつかめと厳命した。

 ペイペイドームで行われた全体練習を視察した王会長は「いよいよ始まるね」とシーズン開幕に胸を高鳴らせていた。グラウンドで「行くぞ!」「さあ行こう!」と選手たちに声を掛け、ノックバットを片手にフリー打撃をチェック。オープン戦で打撃の調子が上がらなかった柳田について話が及ぶと、「葛藤しているんじゃないかな」と心配げな表情で話した。

 柳田はオープン戦で打率・235、1本塁打、6打点と消化不良な成績に終わった。藤本監督は「試合の中で空振りしている姿がボールに差し込まれている」と指摘。王会長は自身の現役晩年を振り返りながら「誰でもそうなってくる。変化球もあるし、引きつけないといけないと思いだすと、今までさばけてたやつ(速球)がさばけなくなる。20~40歳の間にそういう流れがある。それをどう折り合いつけながらやっていくか」と話した。

 13年目、35歳シーズンを迎える柳田へ送ったのは、甘く入って来た直球を確実に仕留めるという意識で打席に立つこと。「俺は真っすぐを打つっていうのを自分のベースにしてた」とし、「全部を打とうとしても無理。ある程度、捨てる分はしょうがない。3割打てばいいバッターなんだから」と助言した。

 さらに3年ぶりのリーグ制覇、日本一を目指すチームには、なるべく早い段階で今季の戦い方を確立すべきと考えを示した。「143試合のうち最初の40試合ぐらいは小手調べみたいなもの。2023年型の戦いをつかんで残りの100試合ぐらいからが勝負」と持論を展開した。

 オフの大型補強で野手ではWBCで活躍した近藤らが加入した一方、投手では勝ち星が計算できた千賀が大リーグ・メッツへ移籍した。エースが抜けた穴は「打線がやっぱりカバーしないとね」。その中心となるべきは看板選手の柳田だ。王会長は「修正能力を持ってるから、自分なりにちゃんとやってくれるよ」と主砲の奮起を期待した。(森 寛一)

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2023年3月30日のニュース