【新球場初戦の歴史(11)2009年・マツダスタジアム(広島市民球場)】天然芝自慢の新球場で大敗

[ 2023年3月30日 17:32 ]

新幹線から見えるマツダスタジアム
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 3月30日、日本ハムの新本拠地エスコンフィールドHOKKAIDO「日本ハム―楽天」で2023年のプロ野球が開幕する。選手もファンも胸を躍らせる新本拠地の戦い。1970年代以降、阪神、ヤクルトを除く球団が真新しいフィールドで新時代のスタートを切った。超満員の熱気の中で迎えた、過去の“新本拠地初戦”その結末は…。

~天然芝自慢の新球場も11失点屈辱の大敗~

 <2009年 マツダスタジアム(広島市民球場)>広島カープは1957年から広島市中区基町の中央公園内にあった広島市民球場(旧市民球場)を本拠地球場としてきた。数多くの名選手を輩出。赤ヘル軍団として1975年に球団創設初のリーグ制覇を達成。80年代に黄金期を迎え6度の優勝、3度の日本一を成し遂げている。2009年、歴史を刻んだ聖地から約3・4キロ離れた旧・東広島貨物駅のヤード跡地に建設されたマツダスタジアムに本拠地を移転。4月10日ホーム初戦を迎えた。

 総天然芝の美しいフィールド。真新しいマウンドに立ったのはコルビー・ルイス。前年15勝を挙げた助っ人右腕だ。2回、ルイスが捕まる。先頭の和田一浩に新球場1号となる先制ソロを許すと、制球を修正することができず、6回途中まで9失点。機動力を軸につなぎの野球を展開してきた打線も、中日先発・吉見一起を攻略することができず開門前から列をなした3万618人の観衆に本拠地初勝利を届けることはできなかった。

 新本拠地初勝利は翌11日。21歳の誕生日先発となった前田健太がプロ2度目となる完封勝利を挙げた。「この球場でどんどん勝っていく。まだ始まったばかりだが、私は楽しいシーズンになると確信している」と語ったマーティー・ブラウン監督だったが、前年の4位から5位に順位を下げ、この年限りで解任されてしまった。この年広島の観客動員は約187万人。前年比、約47万人の大幅増となった。

※球場名、球団名、選手登録名などは当時

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