“専大松戸”に特別な思い抱く太田君 ケガから完全復活し「夢のよう」聖地での3試合

[ 2023年3月30日 07:20 ]

第95回選抜高校野球大会第10日・準々決勝   専大松戸2-9広陵 ( 2023年3月29日    甲子園 )

<広陵・専大松戸>3回、中飛に倒れる専大松戸・太田(撮影・岸 良祐)
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 【いっちーの球春胸キュン日記】太田遙斗君は、「専大松戸」に特別な思いを抱く球児です。

 “出会い”は小学6年の夏、捕手として参加した千葉大会の始球式。その時、隣に立つお兄さんの胸にあったのが「SENSHU」の6文字。「かっこいいなあ」。その日から専大松戸に憧れそのユニホームに袖を通す日を夢見ていました。

 投手として入学しましたが、「チャームポイントがなかった」と伸び悩み、外野手転向を自ら決断。仲間から「もともと打撃はチームトップクラス」と評されていた長打力を武器に、勝負することを決めました。ただ打撃はアピールできるものの、守備に苦戦。フライやゴロ捕球など基礎から徹底的に鍛え、昨秋県大会からメンバー入りを果たしました。母・真紀さんが洗う、投手時代よりドロだらけのユニホームが努力の証でした。その県大会準決勝・市船橋戦のプレー中に右手小指を骨折し、しばらくフルスイングできない日々が続きましたが、太田君の情熱はケガをも凌駕(りょうが)。完全復活し聖地の土を踏みしめました。

 3試合に「5番・右翼」で先発出場し、22日の2回戦・常葉大菊川戦では決勝打にダイビングキャッチと攻守に躍動。試合後にはユニホームのボタンが一つ取れていました。6年前の夢をかなえ、専大松戸のレギュラーとして戦った聖地での3試合を「夢のよう」と振り返った太田君。夢の続きは夏に見ます。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

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