【新球場初戦の歴史(10)2005年・フルキャストスタジアム宮城】先頭打者弾が口火 杜の都が燃えた

[ 2023年3月30日 17:14 ]

初回、先頭打者本塁打を放つ磯部公一
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 3月30日、日本ハムの新本拠地エスコンフィールドHOKKAIDO「日本ハム―楽天」で2023年のプロ野球が開幕する。選手もファンも胸を躍らせる新本拠地の戦い。1970年代以降、阪神、ヤクルトを除く球団が真新しいフィールドで新時代のスタートを切った。超満員の熱気の中で迎えた、過去の“新本拠地初戦”その結末は…。

 ~参入申請から189日 仙台が燃え上がった~

 <2005年 フルキャストスタジアム宮城>50年ぶりに誕生した楽天球団の新本拠地初戦は05年4月1日。寒風が吹いた仙台の気温は4・9度。初代監督・田尾安志はスタンドを埋めた、みちのくのファンに手を振った。

 道のりは険しかった。04年、6月13日近鉄球団とオリックス球団の“合併”を進めていることを両球団が認めた。同30日、ライブドアが近鉄球団買収の意思を表明。7月9日のオーナー会議で両球団の合併は承認されたものの選手会、野球ファンの反発が強まり一部経営者側が進めていた1リーグ制への動きは暗礁に乗り上げた。9月18日・19日の2日間に渡る選手会のストライキを経て、NPBと選手会が2リーグ制維持や新規球団参入で合意。同25日ライブドアと楽天がともに「保護地域は宮城県」「専用球場は県営宮城球場」としてNPBに加盟を申請した。

 その後、審査を経て11月2日のオーナー会議で「東北楽天ゴールデンイーグルス」が承認された。新本拠地・県営宮城球場は突貫工事で改修が進められた。楽天野球団と宮城県は共同で球場ネーミングライツの売却を決定。05年3月、呼称はフルキャストスタジアム宮城と決まった。

 04年、ロッテとのシーズン開幕戦で記念すべき勝利を挙げたが、その後4連敗。新本拠地初戦、仙台のファンの前でマウンドに上がったのはエース岩隈久志だった。初回、礒部公一が西武先発・岡本篤志から球団創設1号となる先頭打者弾。ルイス・ロペスにも3ランが出て一挙6点。16得点の大量援護を受けた岩隈は新本拠地初勝利を手にした。「凄い応援でした。投げてて気持ちがよかった。これから全国に楽天ファンを増やしたいです」杜の都に歓声がこだました。

※球場名、球団名、選手登録名などは当時

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