高知 7回まで無安打も2安打で3点逆転勝ち 浜口監督「おい、やべえぞ」から反撃開始で春2勝目

[ 2023年3月25日 05:10 ]

第95回選抜高校野球大会第6日・2回戦   高知3-2履正社 ( 2023年3月24日    甲子園 )

<高知・履正社>8回、高知・高塚は決勝の中前2点適時打、浜口監督は二塁走者に回れと力が入る(撮影・井垣 忠夫) 
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 一振りで試合を決めた。高知の3番・高塚涼丞が一塁ベース上で右手を突き上げた。1点を追う8回2死満塁から、左腕・増田壮の139キロ直球を中前にはじき返した。2者が生還。逆転の決勝打だ。

 「詰まったけど、しっかり振り切れた。こんな大舞台の打席なんて、めったにないことだし、集中していた」

 重苦しい雰囲気がベンチにはあった。2回に連続四球と暴投を絡め1点を先制したが、7回まで無安打行進。「おい、やべえぞ」とハッパをかけた浜口佳久監督が起用した8回の代打・井上聡太が待望の初安打。「ムードメーカーの井上が塁に出て盛り上がった」と高塚が続き、2安打での勝利。昨冬の日課だった1日500スイングの素振りが最後に実った。

 実は浜口監督が、その身体能力に早くから注目していた。当時、全国大会にも出場した小学生の高塚に高知中の受験を勧めたが「(高塚が)入試のことを忘れていて」と公立に進学。それでもハンドボールに熱中していた中学時代に再び「一緒に甲子園を目指そう」と声をかけた。

 ベスト4に進んだ13年春以来10年ぶりの甲子園2勝。疲労回復のサプリメントなどを差し入れた先輩の森木大智(阪神)の期待にも応えた。「この1本を自信にしたい」。勢いとともに旋風を起こす。(鈴木 光)

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2023年3月25日のニュース