広島・栗林 不安一掃151キロ「パフォーマンス出せた」実戦復帰で1回零封 開幕守護神にメド

[ 2023年3月25日 05:03 ]

オープン戦   広島1-6ソフトバンク ( 2023年3月24日    ペイペイD )

オープン戦<ソ・広>ベンチに戻り、新井監督と話をする栗林(撮影・中村 達也)
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 広島・栗林良吏投手(26)が24日のソフトバンク戦で実戦復帰し、開幕守護神へ向けて回復を示した。0―5の6回に登板。最速151キロを計測し、1安打を許しただけで1回無失点に抑えた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では1次ラウンド後に「腰椎椎間板症」と診断されて登板がないまま離脱。侍ジャパンの強化試合だった6日の阪神戦以来の実戦で不安を一掃した。

 栗林がマウンドに帰ってきた。18日ぶりの実戦で1回1安打無失点に抑え、周囲からの心配を一掃した。

 「真っすぐの球速はいつも以上に出ていたがファウルや詰まらせたりする感じがなかった。そこはまだまだ。自分がイメージした球をどれだけ多く投げられるか。そこをテーマにやっていきたい」

 敵地にもかかわらず多くのファンからの声援で後押し。「応援や雰囲気の違いで緊張もあったが、ファンの方々の力を借りてパフォーマンスが出せた」。先頭の栗原に初球149キロを右前打されて走者を背負っても慌てない。アストゥディーヨは一ゴロ、ホーキンスはフォークで遊ゴロ、最後は今宮を投ゴロに仕留め、上々の再発進を切った。

 「マツダスタジアムで投げた時は、もっと凄い声援をもらいたいな…という気持ちになった。ファンの皆さんと一緒に戦っていきたい」

 侍ジャパンを離れて14日からマツダスタジアムに合流。球史に残る激闘、そして、世界一の歓喜に沸いた米マイアミの地を踏むことができず悔しい思いを抱えた一方、ユニホームをベンチに掲げるなど“共闘”してくれた仲間たちの思いは胸に届いた。既に気持ちは切り替え。打者に対してNPB球を使って投げるのは今年初めてだった。

 侍ジャパンでダルビッシュから伝授された曲がり幅の小さいカットボールを試す予定は登板前のブルペンで「ストライクもあまり入ってなかった」と断念。従来の曲がり幅の大きいカットボールに切り替え、久々の感触を確認した。

 新井監督は「投球後に話を聞いても(体は)問題はないです…と。安心した。明日の状態を確認したい」。オープン戦最下位に沈む中、開幕守護神にメドが立ったことに安堵(あんど)した。25日の登板明けも順調なら、26日のソフトバンクとのオープン戦最終戦で登板して開幕準備を整える方針だ。(長谷川 凡記)

 <栗林侍合流後の経過>
 ▽2月17日 侍ジャパンの強化合宿(宮崎)がスタート。
 ▽同26日 ソフトバンクと壮行試合(サンマリン宮崎)9回の1イニングを1安打無失点。
 ▽3月3日 中日と壮行試合(バンテリンドーム)7回2死から登板。1回1/3を1安打無失点4奪三振。
 ▽同6日 阪神と強化試合(京セラドーム)9回を3者凡退で締める。
 ▽同12日 腰の張りで登板機会なくWBC1次ラウンドが終了。16日の準々決勝を前に離脱が決まる。
 ▽同14日 マツダスタジアムの残留練習に合流。リハビリを再開。
 ▽同16日 広島市内の病院で精密検査。「腰椎椎間板症」の診断。
 ▽同18日 投球練習を再開。マツダスタジアムのブルペンで「20~30球の予定」を超える43球。「100%の力具合で投げた。腰は全く問題ない」
 ▽同22日 日本のWBC優勝にガッツポーズ。「次の大会に出させてもらえるように、これから頑張りたい」

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