ドラ1佐藤の「元相棒」聖地の夢破れる 関大WR桑田、TDパスキャッチも、チームは惜敗…

[ 2020年11月8日 15:13 ]

関西学生アメリカンフットボール1部トーナメント準決勝   関大14―24立命大 ( 2020年11月8日    神戸市王子スタジアム )

<関大・立命大>第3Q、突破をはかるも止められる関大のWR・桑田(18番)(撮影・坂田 高浩)
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 会心の手応えが両手に残ったまま、関大WR桑田理介(4年)は終戦のホイッスルを聞いた。立命大との準決勝。前半は互角の戦いを演じただけに、終戦のコメントにも口惜しさがあった。

 「最後まで勝てるチャンスはあると思っていたので、シンプルに悔しいですね」

 一発勝負のトーナメント。桑田のパフォーマンスが攻撃の突破口を開いた。第1Q最初のシリーズ。RB柳井竜太朗(2年)らのランでドライブを進め、敵陣17ヤードと絶好のボールポジションへつけた。続くコールは左奥へのロングパス。QB渡辺貴信(4年)の右手から放たれたボールが、練習通りの軌道でエンドゾーンに飛ぶ。桑田は左へカットバックを切りながら、ラインのギリギリでキャッチ。第2Q4分56秒の先制TDは、スピードとコンビネーション、テクニックが求められる高難度のパスキャッチだった。

 先手は取っても、その後はアジャスト(適応)してきた立命大ディフェンスに、なかなかチャンスをつかめない。逆に関大ディフェンスは第2Qに痛恨のオフサイドを犯し、直後に追いつかれた。後半は地力の差が出て一方的な展開。11年ぶりとなる甲子園ボウル出場は、またも宿敵に阻まれた。

 桑田にとって、聖地は“約束の地”だった。仁川学院高では、野球部で投手。阪神からドラフト1位指名され、今を時めく佐藤輝明(近大)と2年秋から3年春までバッテリーを組んでいた。年末には、当時のチームメートと集まり、旧交を温める。ドラフト会議の当日も、旧友と一緒にテレビを観ていた。

 「阪神の1位ってホンマにすごいと思います。僕も負けずに頑張らなければ…」

 大学でのアメフト生活は終わっても、桑田はXリーグの強豪パナソニックで競技を続ける。夢は甲子園から、東京ドームへ――。かつての相棒と刺激を受け合いながら、桑田もアメフット界のエースを目指す。

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2020年11月8日のニュース