データで見る八村の第40戦 無得点の最長出場時間記録は意外な人物が保持!

[ 2020年3月9日 12:32 ]

ユーロステップからのシュートを外してしまった八村(AP)
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 ウィザーズの八村塁(22)はヒート戦で7本のフィールドゴール(FG)を放ったがこれをすべて失敗。昨年11月6日のペイサーズ戦以来、今季2度目の無得点で終了ブザーを聴いてしまった。6日のホークス戦でも6本すべて外しており、4日のトレイルブレイザーズ戦以来、14本連続でFGをミス。出場87分7秒にわたってフリースロー以外での得点は「0」となった。

 それでも6リバウンドと3アシストをマークしてチーム最長の40分(39分33秒)にわたってコートにいたことは、スコット・ブルックス監督(43)が得点以外でもチームに貢献できることを評価している証拠。しっかりとプレータイムを与えられているのだから、次戦(10日=対ニックス)ではこの“トンネル”を抜け出ているだろう。

 さてNBAには常識では考えづらい珍しい記録がいろいろなところに潜んでおり、八村はヒート戦で“魔界の数字”にじわじわと接近していた。実はNBAの1試合における無得点の最長出場時間は46分(試合全体は48分)。これを保持しているのは1962年3月2日のニックス戦で、現在もなお残っている最多得点記録(100得点)を樹立したウィルト・チェンバレン(当時ウォリアーズ)なのである。1試合の最多記録も、無得点の最長時間記録も同じ人物がマーク。本人の意思に反して?記録されたのはチェンバレンの現役引退2試合前(レギュラーシーズン)の1973年3月27日。当時レイカーズに在籍していたチェンバレンは地元ロサンゼルスで行われたバックス戦に先発して14リバウンドと2アシストを記録したが、46分出場しながらFGもフリースロー(FT)も1本も放つことなく無得点に終わっていた。

 ただしチェンバレンも八村も得点以外の部門では数字を書き込んでいるので、奮闘の跡がうかがえる。ところが2011年1月9日、ヒートのセンター、ジョエル・アンソニーがトレイルブレイザーズ戦で達成してしまった?「0」にまつわる“完全記録”は、本当にコートにいたのかどうかがスコアシートを見ただけではわかりづらいケースだ。

 ベンチ・スタートとなったアンソニーはこの試合で29分(28分46秒)出場したが、得点どころかリバウンド、アシスト、スティール、ブロックショットといった個人記録5部門ですべて「0」だった。唯一数字が記されたのは反則の4つ。もともと相手の主力を反則でくい止めるのが役割とあって、その任務を黙々と遂行した結果?こんな珍記録が誕生してしまった。しかもレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)を擁していたヒートは延長で勝ったのだから、アンソニーは決して“ゴースト”ではなかった。

 このアンソニーの珍記録に迫ったのが?2017年2月24日のジャズ戦に先発したトニー・スネル(現ピストンズ)。スネルはFG2本を失敗し、FTも1本ミス。リバウンド、アシスト、スティール、ブロックショットもなく反則だけが「1」だった。出場時間は28分25秒でアンソニーの記録にあと21秒まで接近。アンソニーは勝ったが、このときのバックスは95―109で敗れており、もともとシュート力には定評があったスネルとしてはさぞかし責任を痛感したことだろう。

 正式な記録はないが、NBAのルーキーで無得点のまま40分も出場していた選手はNBA草創期の1940~60年代を除くと八村が初めてではないかと思う。間違ってもアンソニーとスネルに“追いつき追い越せ”とは言わないが、こんなデータを提供してくれるあたりに八村の度量の大きさを感じるところだ。(高柳 昌弥)

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