一山 涙の逆転五輪切符!日本人国内最高V「今日みたいな日が来るのが夢だった」

[ 2020年3月9日 05:30 ]

名古屋ウィメンズマラソン ( 2020年3月8日    ナゴヤドーム発着 )

<名古屋ウィメンズマラソン>2時間20分29秒で優勝し五輪内定を決め、笑顔でポーズする一山麻緒(撮影・椎名 航)
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 東京五輪マラソン女子代表最後の1枠を懸けて行われ、22歳の新星、一山麻緒(ワコール)が2時間20分29秒の日本歴代4位のタイムで優勝し、最後の3人目の代表に決まった。1月の大阪国際で松田瑞生(24=ダイハツ)が出した2時間21分47秒を上回り、代表入りの条件を満たした。04年アテネ五輪金メダリストの野口みずきが03年大阪国際女子で出した2時間21分18秒の日本人国内最高記録も更新し、東京五輪の新ヒロイン候補が誕生した。 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客となったナゴヤドームの静寂を吹き飛ばすように、一山は豪快に両手を上げてフィニッシュした。永山忠幸監督とうれし涙の抱擁を交わしたマラソン界の“まおちゃん”は「2時間21分47秒を切るためにやってきた。今日みたいな日が来るのが夢だった」と笑顔を見せた。

 初マラソンだった昨年3月の東京に続いて冷たい雨に降られたが、悪条件にも冷静だった。中盤まで集団で力を温存。30キロまでは松田のタイムより40秒遅れていたが、沿道から永山監督の声掛けでギアチェンジ。17分台に落ちていた5キロのラップを30~35キロは上りがあるにもかかわらず16分14秒に上げて独走。前半より後半が23秒速かった一山に、持ちタイム2時間20分39秒のリオノリポ(ケニア)ら外国勢もついていけなかった。「30キロ以降一人で行ける練習をしてきた。イメージ通りの走りができた。こんな雨だからこそ(五輪を)決めたら格好いいと思った」と最強の雨女ぶりを発揮した。

 鹿児島・出水中央高2年時にスカウトの目にとまり、16年にワコールに入社。入社早々に永山監督に「マラソンで五輪に出たい」と直訴した。福士加代子を4度五輪に導いた永山監督が「5度目の五輪はマラソンで君で行くよ」と約束するほど潜在能力を見込んでいた。世界への思いを強めたのは入社2年目。17年ロンドン世界選手権出場を目指していたが、選考会の日本選手権で1万メートル、5000メートルともに4番手となり世界への道が絶たれた。「あと一歩で行けたが、あと一歩が大きい。そのとき“自分も世界に行きたい”と思いました」と明かす。

 18年からマラソンの準備を始め、福士の練習よりも1・2倍ほど強度も量も増やしたメニューを課された。5キロ走を8本行い、後半はペースを上げるという「鬼鬼メニュー」(一山)もこなした。永山監督は「練習のポカ(失敗)がないところが凄い」と努力を称える。

 マラソン女子日本代表3人の中で最速タイムを出したが、一山に慢心はない。「世界と戦うにはまだまだ記録も劣っている。もう一段質の高い練習をして、日本代表として格好いい走りをしたい」。再び鬼鬼メニューをオーダーするつもりだ。 (河西 崇)

 ▼野口みずきさん (03年の大阪国際女子で出した2時間21分18秒の国内最高記録を一山に塗り替えられ)うれしいことです。ハラハラドキドキしていたけど。最近は低迷していたマラソンに光が差してきた。ほかの選手も刺激を受けて、強い女子マラソンを取り戻してほしい。頼もしい後輩が出てきた。

 【一山麻緒アラカルト】
 ★生まれとサイズ 1997年(平9)5月29日生まれ、鹿児島県出身の22歳。1メートル58、43キロ。

 ★陸上歴 小学校の運動会の徒競走で1番が取りたくて始めた。出水中央高では1500メートルと3000メートルで総体に出場したが、決勝進出ならず。

 ★憧れのマラソンランナー シドニーで金メダルを獲得した高橋尚子さんを見て尊敬。現役では鈴木亜由子。

 ★好きな食べ物 ウナギ、安納芋、もちもちしている食べ物。

 ★主な実績 19年東京マラソン7位、19年函館ハーフマラソン優勝。

 ★自己ベスト 1万メートル31分34秒56、ハーフマラソン1時間8分49秒。

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