瀬古リーダー 一山は「世界に通用する」と五輪に期待 2年半ロング選考MGCは「大成功」

[ 2020年3月9日 05:30 ]

名古屋ウィメンズマラソン ( 2020年3月8日    ナゴヤドーム発着 )

<名古屋ウィメンズマラソン>報道陣の質問に答える瀬古リーダー(撮影・椎名 航)
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 東京五輪のマラソン代表選考が8日に終了し、最後の3人目の代表には女子は名古屋ウィメンズ優勝の一山麻緒(ワコール)、男子は大迫傑(28=ナイキ)が決まった。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)は一山の走りを絶賛し、陸連幹部は17年に導入した五輪代表選考の新方式「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」を「大成功」と総括した。

 瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが一山を絶賛した。「本当にいい走りだった。能力が高いことは分かっていたが、これほど力がついたことには驚いた」。ハーフの記録が、前半(1時間10分26秒)より後半(1時間10分3秒)の方が23秒速い「ネガティブスプリット」だったことに触れ「将来、日本記録を狙う1番手だと思っている。この走りをすれば世界に通用する」と五輪に期待を寄せた。

 2年半に及ぶ選考が男女ともにこの日で幕を閉じた。一発勝負に近いMGCでは上位2人の“強い選手”、残り1人は設定記録を破った“速い選手”を選出する形になった。

 マラソン代表選考はこれまで物議を呼んだが、基準を明確にした上で「強化と選考が連動する」という新たなシステムができ、結果的に男子は日本記録が3度塗り替えられ、女子も好記録に沸いた。尾県貢専務理事は「大成功と思っている」と自賛した。

 しかし、世界記録は男子が2時間1分39秒、女子が2時間14分4秒。今回の代表で自己記録の最速は男子が大迫の2時間5分29秒、女子が一山の2時間20分29秒と差があり、日本陸連の河野匡・長距離・マラソンディレクターは「メダルを口にするのはまだ早い」と語る。瀬古リーダーは「五輪で入賞、メダルを獲らないと本当の成功とは言えない」と言いつつも「メンバーはそろった」と自信を見せる。24年パリ五輪の選考は、「許されるならMGCを続けたい思いはあるけど」と先行き不透明だとした。

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