【高野進の目】リオ五輪銀メンバー・3走桐生の存在大きい サニブラも好スタート

[ 2019年10月7日 05:30 ]

陸上 世界選手権第9日   男子400㍍リレー 2大会連続銅 ( 2019年10月5日    ドーハ・ハリファ国際競技場 )

男子400メートルリレーで銅メダルを獲得し笑顔の(右から)サニブラウン、桐生、白石、多田(撮影・小海途 良幹)
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 五輪銀メダルメンバーの桐生が3走にいることが大きかった。アンカーへの流れをつくる重要な役目を持っているのが3走。スペシャリストの桐生がいることでサニブラウンが予選よりもいいスタートを切っていた。バトンミスを心配して4走が思い切り出られないことも多いが、桐生の走力なら問題はない。

 走順の理想は2走サニブラウンから3走桐生か。そこがうまくいくとアンカーまでトップで抜けてくるはずだ。今回は多田が1走を務めたが候補は多い。今までは朝原がアンカーのみなど固定されたメンバーで組まざるを得なかったが、今は豊富な人材がいるので可能性は広がる。

 北京五輪はメダルで大騒ぎしたが、これからは金を獲らないと褒めてもらえない時代になっている。バトンパスはほぼ完成されており、金を獲るには個人能力を上げるしかない。日本は9秒台が3人いるものの、個人種目では決勝に進めなかった。米国は1走コールマン、2走ガトリンと男子100メートルのワンツーを並べた。ガチンコでは勝てないにしろ、まずは個人種目で決勝に顔を出すことをモチベーションに、その先の金メダルを目指してほしい。 (男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授) 

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