やっぱり上野!中国を1安打完封、3連覇達成

[ 2010年11月27日 06:00 ]

3連覇を達成し、金メダルを手に記念撮影する日本ナイン

 【広州アジア大会】ソフトボール女子の決勝が26日に行われ、日本は中国に2―0で勝利して3連覇を達成した。1次リーグ最終戦の中国戦から3連投となったエース上野由岐子(28=ルネサスエレクトロニクス高崎)は、自己最速タイとなる121キロの直球に80キロ台のチェンジアップを織り交ぜて中国打線に許したのはわずか1安打。今大会4試合目で初の完封勝利を挙げ、日本に金メダルをもたらした。

 最後の打者を空振り三振に切って落として締めくくったエースは「すべての照準は決勝。やっぱり最後は三振で締めたいという気持ちがあった。三振で終われて良かった」とようやく白い歯をのぞかせた。
 08年の北京五輪で悲願の金メダルを獲得したが、12年ロンドン五輪でソフトボールが競技から外れ、16年リオデジャネイロ五輪でも不採用となった。目標を見失ったエースは、自らの意思で日本代表への招集を拒んできた。「次にどう取り組んでいくかを整理したかった」。それでも約2年3カ月ぶりに着た日の丸のユニホームは、やっぱり格別だった。「(ブランクは)あっという間でしたね」。吹っ切れたエースは、ただ勝利のためだけに投げ続けた。
 今後の代表招集に関して「チームのこともあるんで」と前置きした上で「呼ばれたい気持ちはある」と口にした。五輪の舞台を望めないが、12年にはまだ金メダルを手にしたことのない世界選手権も控えている。代表を離れていた期間で「いろんなものを再確認できた」と振り返った背番号17は「この経験を若手がどう感じてくれるか」とも付け加えた。女子ソフトを五輪競技に復帰させるために、まだまだ勝ち続ける。

 ≪斎藤監督、退任へ≫ソフトボール女子日本代表の斎藤春香監督(40)が、契約期間満了に伴い広州アジア大会限りで退任することが濃厚となった。06年12月に監督に就任。08年北京五輪では日本を初優勝へと導くなど、実績も残してきた。試合後、選手に胴上げされ涙を流した指揮官は「選手全員が一生懸命やってくれたし、本当に感謝の気持ち。私としては道筋をつくれたと思う」と話した。

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2010年11月27日のニュース