自然体強調する豊ノ島 快挙へあと一歩

[ 2010年11月27日 20:02 ]

 【大相撲九州場所14日目】どちらが大関か分からないような相撲だった。豊ノ島は魁皇を圧倒して1敗を守り、賜杯の可能性を白鵬と分け合うことに。2大関を破る快進撃が続く前頭9枚目は「2本入ってからの攻めがよかった。ここまできたら夢のよう」。陽気な性格の持ち主は緊張にも口数は減らず、この日も多弁だった。

 「狙っていた」というもろ差しから巧みな肩透かしで快勝。昨年の対戦で左ひじを負傷させられた魁皇の右小手投げも封じた。故郷の高知県宿毛市からこの日応援にやってきた両親や親族らに晴れ姿を見せた。
 日本人力士の幕内優勝が実現すれば、2006年初場所以来。支度部屋は白鵬と同じくらい大勢の報道陣が集結し、注目度の高まりをうかがわせた。強気な元関脇も「日本人が頑張れと言われるなかで、だれかが勝てばと思っていた。でもまさか自分が争うとは」と戸惑いも口にした。
 興奮でよく寝られない日々が続いているという。千秋楽に向け「重圧がない、というのはうそ。思い切り、楽しんでできれば最高」と自然体を強調。師匠の時津風親方(元幕内時津海)によると、既に豊ノ島は実家の父親に電話し「いい夢を見せてやる」と初優勝を誓っているという。

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2010年11月27日のニュース