どん底から頂点だ!豊ノ島、10連勝で1敗死守

[ 2010年11月27日 06:00 ]

鶴竜(右)を寄り切りで破った豊ノ島

 大相撲九州場所13日目は26日、福岡国際センターで行われ、豊ノ島が鶴竜を一気に寄り切り10連勝をマークした。白鵬も魁皇を寄り切りで下し、優勝争いは1敗で白鵬と豊ノ島が並ぶ展開となった。1差で把瑠都、魁皇の2大関が続いている。14日目の結果にかかわらず優勝決定は千秋楽まで持ち越されることになった。

 一気に勝負を決めた。豊ノ島は立ち合いで低く当たると左差し、右はずの体勢で鶴竜の体を浮き上がらせた。そのまま寄り切り、土俵下まで吹き飛ばした。
 「体が動いているし思い切りいこうと決めていました。最高のリズムですね」。好調さを示すには十分の相撲内容だったが、取組前は不安を感じていた。通算の対戦成績は4勝4敗の五分でも、ここ5戦は1勝4敗。この日の朝稽古後には自ら「合い口がよくない」と漏らしていた。それでも、師匠の時津風親方(元幕内・時津海)は「稽古場と本場所は違うし勝負強いから」と全幅の信頼をおいて弟子を場所に送り出していた。その期待に応える完勝だった。
 結びの一番で白鵬が魁皇を下し、1敗はついに横綱と2人だけになった。ただ、平幕が横綱と優勝を争う展開となり、14日目に組まれるはずだった大関対決の琴欧洲―魁皇戦がこの日午前の取組編成会議で見送られ、急きょ豊ノ島―魁皇戦に差し替えられた。
 「星を伸ばしていけば大関との対戦になると考えていました。魁皇関は調子がいいし、思い切って、ぶつかりたい」
 その背中を押すように心強い援軍が福岡国際センターに現れる。出身の高知県宿毛市から両親だけでなく、優勝争いに盛り上がる親族たちも駆けつけることになった。「夢のような話だけど、ここまできたら1回ぐらいは幕内優勝を」。野球賭博関与で名古屋場所を全休、一時は「相撲を取れなくなるかも」と悩み、苦しんだこの半年。その時に支えてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えるために、1年の締めくくりの場所で結果を出す。

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2010年11月27日のニュース