対戦相手をあからさまに応援 最後まで「ヒール」だった日本

[ 2010年11月27日 17:12 ]

 【広州アジア大会】中国漁船衝突事件の緊張が消えぬうちに始まった広州アジア大会。日本選手団は開会式で日の丸の代わりに白い帽子を振って入場する“配慮”も見せたが、人気競技では観客が日本の対戦相手をあからさまに応援する場面が相次ぎ、選手たちはアウェーの戦いを強いられた。

 サッカー男子は決勝でUAEと対戦した。UAEの小旗を手に「加油(頑張れ)」と声を張り上げる地元の観客。日本がボールを奪うと大ブーイング。40代の中国人男性運転手は政府からチケットをもらった。「ブーイングの理由? 言いたくないね」。山崎亮平選手(21)は「だまらせようという気持ちでプレーした」と激しい闘争心を隠さなかった。

 中国でトップクラスの人気を誇るバスケットボールでも日本は完全にヒール(悪役)。イラン、カタール、インド…。観客の多くは日本の対戦相手を応援した。田臥勇太選手(30)も「よっぽど嫌われてるんだな」と苦笑い。「でも国を代表するということはこういうこと。国内ではできない経験だし」。楽しんでいる様子すらうかがえた。

 武術の長拳で今大会1号の金メダルを中国選手と争った市来崎大祐選手(23)は「反日ムードは感じなかった。ボランティアも感じがよかった」と振り返った。大会前に中国の友人に「日本人って嫌われているの」と尋ねると「そんなことない。ほんの一部の人たちだけ」と言われたという。

 日本女子クリケットチームがスタンドで他国の対戦を観戦中、BGMに合わせてダンス。中国の観客から拍手がわいた場面もあった。

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2010年11月27日のニュース