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「誰か来て!」クマか?いや大ヤマメ39センチ

[ 2022年6月27日 07:23 ]

39センチの大ヤマメを釣った村野さん
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】栃木県日光市の男鹿川は日光市の日光宇都宮道今市ICから約1時間とアクセス良好な渓流魚の宝庫。今回は五十里湖上流にある三依地区で開催されたフライ教室の様子と釣り人御用達の人気そば店「お食事処古代村」を紹介する。(吉田 俊彦)

 おじか・きぬ漁協といえば、鬼マスと呼ばれる大型ニジマスが狙える川治地区C&Rエリアが有名だ。五十里湖上流部の男鹿川の流れは福島県境まで続き良型のイワナやヤマメが棲息する。筆者はおじか・きぬ漁業協同組合の依頼でフライフィッシングスクール講師として中三依(なかみより)を訪れた。

 今回のスクールは、「チェコニンフ」システムを用いた実釣スクールでフライ経験者が対象。午前9時過ぎに会場となった古代村の広場に女性2人を含む7人が集合。オリエンテーションの後、テーパードリーダーを使用したラインシステム&ノットを紹介。先端に毛糸をつけてサイドキャストで、自分のバックループを確認する練習を繰り返し行った。

 午後は横を流れる入山沢で実釣講習を開始した。沢に下りるとところどころに良型の魚影が確認できたが、総じて水深が浅いため警戒されないようにキャストすることが要求される。加えて入山沢の水は冷たく簡単にフライに飛びつく魚はいなかった。そんな中、300メートルほど上流にある魚止の滝で釣っていた地元の塩生和敏さんが40センチクラスのイワナを逃したという。

 午後4時に一度集まり作戦会議。これから活性の上がる日没までの時間、ニンフとウエットを駆使して誘うことにした。4時半過ぎに「誰か来て!」と女性の声。クマでも出たかと思って振り返ると、ロッドが満月になり、白銀の魚が飛沫(ひまつ)を上げていた。筆者はカメラを構えたのだが、確かにこれは大変だと分かった。遠目にも尺は優に超えている。しかもグリグリとローリングするファイトはまぎれもなくヤマメのものだ。カメラをネットに持ち替えて急いで救援に向かう。すくおうとしたら魚と目があって、もう一暴れ。なんとかネットに収まったのは39センチの大ヤマメだった。釣った村野裕子さんは満面の笑み。きっと私の方がドキドキした。大ヤマメは黄緑色のブナムシニンフをガップリと食っていた。ティペットはフロロのVARIVAS「マスタースペックプロ5X」。彼女の的確なフライ選択と強いティペットが幸運をもたらしてくれたのだと思う。男鹿川はまさに渓流魚の宝庫だ。

 ◯…昼には「お食事処古代村」でそば作りからこだわった十割そばを堪能した。問い合わせは「みより古代村企業組合」=(電)0288(79)0520。

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