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鬼の形相?!アマゴ36センチ 地元漁協ブランド化目指すいかつい顔

[ 2022年3月20日 07:44 ]

36センチの良型アマゴを釣った筆者。別名「鬼アマゴ」。厳つい顔が特徴
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】13日は静岡県鮎沢川の解禁日です。友人の杉山和美さんからお誘いを受け出掛けました。私が現地へ到着したのは午後4時頃。朝から散々、叩かれたあとでしたが、対象が全て30センチを超える大アマゴなので、小型の多量放流とは違い、餌で取りつくされることはないだろうと考えていました。

 実際に川へ下りてみると所々に大きな魚影が見えました。夕方なので水生昆虫の羽化もあり、フライなら釣れるんじゃないかなと試してみました。

 しかし魚たちは意外に賢く、すでに釣られてリリースされた魚も泳いでいるのではないかと杉山さんは言ってました。見える魚だけにこだわらず探っていくと瀬の中でヒット。しかし、これは目的のアマゴではなく、ニジマスでした。

 宿泊した翌朝は、未明からの雨で土砂濁りでした。どう考えても魚たちは食欲どころではなく、安全な場所で流されないようにするのが精いっぱいという濁りです。杉山さんからの提案で、支流を釣ってみることに。

 もしかしたら本流から上っている魚もいるかもしれないし、元々いた天然アマゴが釣れるかもしれないからです。笹(ささ)濁り程度でしたから期待は持てます。

 この朝はルアーで。ルアーはトリコロールミノーです。いれば一撃で掛かりそうでしたがヒットはありませんでした。

 そこで昨年ヒットしたスピナー、セルタの3・5グラムにチェンジ。スピナーは棒引きでゆっくり引くことができます。ちょっと沈めて引いてくるとすぐヒット。ラバーネットですくったその魚は32センチのアマゴでした。鮎沢川のアマゴはキングサーモン(マスノスケ)のようないかつい顔をしていて、漁協では「鬼アマゴ」と呼んでブランディングしようとしています。

 私はこれで満足でしたが、杉山さんが「まだいるかもしれないのでどうぞ」というのでやってみました。

 同じ場所で引く角度を変えてセルタを投げるとまたまたヒット。本流から上っているんですね。このアマゴは35センチでした。昨年よりも大きく、鮎沢川レコードを更新です。

 同じような支流がまだあるとのことで行ってみました。両面護岸の岸から見下ろすと、大きなアマゴが泳いでいるのが見えました。

 ワクワクしながら回り込んで川へ下り、釣り開始。下へ降りると魚は全く見えません。杉山さんが上から見てもっと下、その岩の左、などと指示してくれたので、魚の鼻っ面にルアーを通しましたが、無視されるか逃げられました。

 「下からでかいのが上がってきている」との声に凝視すると2匹、やる気満々そうな大アマゴが見えました。ルアーをそれまでのミノーから、トリコロールバイブという沈みの早いものに変えました。

 1匹目はすぐにヒットしましたが、ハリ掛かりがうまくいかず外れてしまいました。

 「ああ、もったいない」。絶望的な声を上げてしまいましたが、冷静にもう一匹が泳いで行った方を探すと護岸スレスレに定位しました。

 そこへ投げるとすぐにヒット。これはうまくフッキング。とてもいいファイトをしました。サイズはなんと36センチ。「鬼アマゴ」と呼ぶにふさわしい、いい魚体でした。(東京海洋大学客員教授)

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