×

新様式の波に乗れ お手軽SUPフィッシング

[ 2020年7月8日 07:13 ]

こんな大物も釣れる
Photo By スポニチ

【釣り人掲示板】今新しい釣りの様式として注目を集めているのがSUP(サップ)フィッシング。どんな釣りなのか?NPO法人「SUPU(スタンドアップパドルユニオン)」の理事、吉田太さん(52)に話を聞いた。(笠原 然朗)

 「SUP」とは英語で「Stand Up Paddleboard=スタンドアップ・パドルボード」の略。全長約3メートル、幅60センチほどのボードの上に立ち、パドル(かい)で漕(こ)いで海上を進むマリンスポーツ。それと釣りを組み合わせたものが「SUPフィッシング」である。

 「SUPはライフガードの移動手段として15年ほど前にハワイで誕生した言われています」と吉田さんは話す。

 最初はサーフィン用のロングボードを使用していたが、パドルを使って立ち漕ぎするのに安定性が悪く、後に横幅と重量を増した専用のボードが作られるようになった。

 サーフィンは、ボードに立てるまで普通は「何度も海に通って練習する必要がある」(吉田さん)が、SUPは「レッスン開始から10~20分で8~9割の人が立てるようになります」。入門のハードルが低いのも魅力の一つだろう。

 競技人口は国内で1万人以上。世界中で国際大会が開かれており、24年のパリから五輪種目入りの声も上がっている。日本では18年9月に神奈川県茅ケ崎で国際大会「マイナビSUPジャパンカップ」が開催された。

 「SUP」プラス「釣り」のアイデアが日本に広まったのは、茅ケ崎のサーフショップ「ホソイサーフ&スポーツ」の細井隆代表(59)が実釣し、SNSなどで拡散したのがきっかけだったと言われる。

 ボードに持ち込める道具の数や重さが制限されるため釣りはルアーがメイン。タイラバ、餌木、フライでも狙える。ボードに座ったままでもいいし、慣れれば立ったままキャスティングして魚とやりとりをする。

 釣れるのはマゴチ、ヒラメ、シーバス。場所によってはイナダやブリの青物も。

 「大物が掛かればボードごと魚に引っ張り回されることもありますね」と吉田さんはその迫力と魅力を話した。

 SUPで使うボードには車などでの運搬が必要なハードタイプと、折りたたんで運び空気で膨らませて使う「インフレータブル」タイプがある。後者なら組み立て式のパドルと合わせて「鉄道に持ち込んだり、バイクや自転車に積んでの移動もできます。マンション暮らしの人も保管場所に困りません」。

 “百聞一釣”にしかず。運動神経に難ありの筆者も心が動く新しい釣り様式である。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る