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カレイなる一族 海で磨くアウトドアのDNA

[ 2019年2月24日 07:24 ]

面目躍如のパパ。左から琉衣さん、陽子さん、紳二さん
Photo By スポニチ

 【根ほり葉ほりおじゃま虫ま〜す】東京湾遊漁船業協同組合主催の第15回「江戸前釣り大会 カレイ釣り2019冬」が17日に行われた。11軒の船宿15隻に269人が参加。ベテラン、初心者入り乱れての華麗な戦いにおじゃま虫ました。(スポニチAPC 町田 孟)

 六郷・ミナミの船だまり。大会要綱の説明受ける2号船の6人グループに釣りガールのひよこがいた。会社の同僚3人とともに来ていた佐藤紳二さん(50=練馬区)陽子夫人(49)の一粒ダネ、琉衣(るい)さん(12=小6)だ。

 船釣りは陽子さんともども3回目。紳二さんによると初挑戦は「昨年のこどもの日にマゴチ狙い」。そこで本命の他にクロダイも仕留めた。そのせいもあってか釣りは「楽しい。ググッと来た時がいい」。生き物への興味が強い。陽子さんが声を潜めて「彼女の部屋は虫でいっぱいなんです」。改めて琉衣さんに聞いてみる。「クワガタ、カブトではヘラクレス、イモリ、ファンタジーツノガエルとか…」。次から次。自分で世話をするのが約束だ。

 授業で好きな科目は「算数と理科」。NHKの日曜夜の「ダーウィンが来た」はお気に入り番組の一つだ。人形系のおもちゃなどは「持っていない。リカちゃん?なにそれ」。不思議そうな顔を見せる。

 習いごとはピアノやバレエではなく幼稚園の頃から水泳教室一筋。将来は「水族館の飼育員になりたい」。

 午前11時ごろ、紳二さんが40センチ超をゲット。すぐ琉衣さんに強い当たり。ところが不運のオマツリで途中にハリ外しのバラシ。以後、ピクリとしないままで「カレイはつまんない」。それでも一家3人のいいコミュニケーションツールになっていた。

 男兄弟で育った紳二さん。女の子にとらわれず「幼児の頃から海水浴やキャンプなどばかりに連れて行った」。アウトドア方針がユニークな個性を育てたのは間違いない。加えて自動車関係の仕事柄、ドライブとメカが大好き。陽子さんは「元サーファー」。DNAも受け継いでいる。



?030002が● ○…これぞ奇跡の優勝。ミナミ2号船、川崎市の矢野一輝さん(49=自営業)は朝イチで2本竿のうち1本を海中に落としてしまう不運。何とかもう1本で探って回収。「2メートルの大物」と冷やかされたが災い転じて福となす。何の反応もないままの正午すぎ「ピクリと来た。少し待ってのみ込ませた」。冷静な対応で栄冠をつかんだ。この日たった1度の当たりの44・5センチがまさかの1匹だった。口元にはさびかけたアジバリががっちり。その位置を見た安達祥一船長が「俺がリリースしたやつだ!」。実は2週間ほど前、試し釣りをした。「カレイ仕掛けがなかったのでアジ用で」。その時に釣った45センチ級を「もしかしたら」と大会のために海へ戻しておいたのだ。そのことを出船前から公言していて「同じポイントを目いっぱい攻めた」。狙いはズバリで“V船長“。逃がしたカレイの恩返し!?

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