パーキンソン病 どこまで知ってる?手足の震え、筋肉の硬直、無表情…1つでも感じたら顔もみマッサージ

[ 2024年4月12日 05:00 ]

パーキンソン病について工藤千秋先生に教えていただきました
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 【生島ヒロシ オヤジの処方箋】芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。新年度1回目は「パーキンソン病」を取り上げます。60歳以上の100人に1人が発症すると言われており、決して人ごとではありません。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。各地で桜が満開。来年も、再来年も、いつまでも元気にお花見をしたいものです。でも年を取れば、体の節々の痛みとは別に、認知症とかパーキンソン病とか、脳に関係する病気も心配。そこで今日は、パーキンソン病について考えましょう。医療法人くどうちあき脳神経外科クリニック(東京都大田区)理事長・院長の工藤千秋先生に教えていただきます。工藤先生、私たちはパーキンソン病、アルツハイマー病、認知症を混同してしまいがちです。

 「アルツハイマー病は認知症の一種。認知症はアルツハイマー型のほか、レビー小体型、血管性と主に3つあります。アルツハイマー型が60~70%、ほか2つが15%ずつで、認知症といえば一般的にはアルツハイマー型を指します。パーキンソン病はアルツハイマー型認知症とは別の病気です。一部、共通する症状はありますが」

 すっきりしました。パーキンソン病は、どんな症状が出るんですか?

 「何もしていない時に手足が震える、安静時振戦。手足の筋肉が硬くなって、歩けないといった筋肉の硬直。能面のように顔の表情がなくなる、などです。一つでもあれば初期症状。3つそろえば完全にパーキンソン病と考えます」

 男女差、体形、生活習慣、どんな人がなりやすいんでしょうか。

 「パーキンソン病になる人に、特定の特徴はありません。誰もがなる可能性があります」

 不安になってきました。何とか予防したいところです。

 「残念ながら予防法は見つかっていません。予防法を発見できればノーベル賞と言われているほどです。いったん、発症すると完全に治ることはありません。現状では、進行を遅らせる、症状を緩和する、この2つが選択肢になります」

 治療法はどのようなものですか。

 「主に3つあります。ますは、内服薬を飲む。神経伝達物質のドーパミンの量が減ることで発症すると考えられているので、そのドーパミンを薬で補充します。あとの2つは外科的手術になります。一つは、主に腹部の皮膚の下に機器を埋め込む。そこからドーパミンを補充していきます。もう一つは、脳の大脳基底核という部分に電極を埋め込む。連続的に電気刺激を与え、神経を刺激します。ただこれは、安静時振戦には有効ですが、筋肉の硬直、顔の表情がなくなることには効きません」

 頭に機械を埋め込んでも効果が限定的とは。パーキンソン病は手ごわい病気ですね。

 「日常生活の中で、手軽に取り組めることもあります。筋肉の硬直には、運動療法が有効。筋肉のストレッチをして、筋肉を軟らかくすることです。特別なものではなく、一般的によく行われているストレッチで問題ありません」

 自分ですぐにでもできることがあるとは、少し安心しました。工藤先生は“神経クリーニング”という顔のマッサージも提唱していらっしゃいますね。

 「カナダの脳神経外科医の研究によると、顔と手、その中で特に指先に神経全体の約80%が集中しています。両手の指先で顔をもむと、神経の80%が刺激されるわけです。神経の通りをよくすることから、これを“神経クリーニング”と呼んでいます」

 神経クリーニングのやり方を教えてください!

 「顔面で“痛い”と感じる左右対称の合計6カ所を指で押し、そのまま外側に引っ張るマッサージです。押す場所は上から、眉尻と目尻の間の骨の上、小鼻の真横から少し下、ここは“天迎香(てんげいこう)”というツボとして有名です。あとは唇の下」

 皆さん、イラストを参考にトライしてください。

 「この3カ所は、顔の感覚を脳に伝える三叉(さんさ)神経が通っている場所。刺激することで血の巡りがよくなり、脳内が高酸素状態になります。マッサージすることで、顔面の筋肉がほぐれ、顔が能面のように無表情になるのを遅らせ、同時に指先の筋肉も軟らかくする。一石二鳥です。パーキンソン病の症状が一つでも出たら、やってください。早ければ早いほど効果が期待できます」

 タバコを吸っていたからとか、運動していなかったからとか、パーキンソン病はそういうこととは関係がないようです。リスクは誰にでもあります。いざというときに焦らないように、工藤先生の顔面マッサージをマスターしておきましょう!

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。75歳の現役医師・鎌田實さんとの共著『70歳からの「貯筋」習慣』(青春出版社)が販売中。

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